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黒尾「じゃあ場所開けて、空いてるとこでミーティング」


インターハイ予選、2回戦

バレーボールは、ボールを繋げなかった方が負ける競技。どれだけ強いスパイカーがいても、高いブロックがあっても、鉄壁の守備があっても、いつだって負けるのはボールを落とした方だ。


『(悔しい)』

勝てない相手では無かったはずだ、何が足りなかった?

みんなの調子は悪くなかったはず、むしろチームとしての調子は良かった。一体何がダメだったんだ。



ミーティングの言葉もろくに頭に入らず、バスが来る時間まで解散と言われたところ、私は1人で行動をしていた。

バスが来るまではあと1時間弱ぐらい、どうしよう。することも無い。すぐ横にある体育館では今も試合が行われて騒がしいのに、私の周りだけ静か。


椅子に座っていたらポケットが震えて、電話がかかってきたことを知らせる。

『もしもし…そっちから掛けてくるの、珍しいね』

「あぁ、チームメイトからたまには電話でもしろと言われたんだ」

『へぇ、なんか用事?今傷心中なんだけど』

相変わらず感情の読めない声で淡々とインターハイに出場することを告げ、早々に通話を切られた。そういう人だっていうのは知ってるけど、今の私にはそれはひどい仕打ちに思える。


『とまんない、くっそ、悔しい……』

椅子に座ったまま蹲るようにジャージの袖で涙をふいた、けれど溢れる涙は留まることを知らないように流れてくる。

みんなが勝てるように、マネージャーの私にはもっと出来ることがあったんじゃないだろうか?自主練に付き合ったりとか、色々。

そんなことを考えては、次から次に浮かんでくる自己嫌悪に吐き気すら覚えた。

「いた。」

『……』

「泣いてんの」

私の頭の中を占める負の感情をかき消すような、そんな優しい声が聞こえて、ふわりと安心できる香りに包まれた。

『や、なに…!』

「泣いてんなら顔あげないでいーよ、見られたいもんじゃないだろ」

『うん』

「春高だ。絶対リベンジする」

『うん…』


きっと彼も悔しいのだろう、私を抱き締める腕に力がこもったのを感じながら、私は涙をふいた。

『夜久、そろそろ……』

夜久「もーちょっと。ダメ?」

『ダメじゃない、けど……人いるし、勘違いされちゃう、かも』



試合が終わったのか人が行き交う声が大きくなってきて、段々安堵より不安の方が大きくなってくる。



夜久「俺は別に、勘違いされてもいいんだけど。」

_________________


続編公開しました!

このまま飛べるので、続編もお付き合いください!

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ゆめの(プロフ) - 投稿頻度凄い高くてうれしいです!頑張ってください〜⸜(*´꒳​`*)⸝‍ (2月27日 1時) (レス) @page28 id: 98dd5cf759 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:HAL | 作成日時:2024年2月23日 4時

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