繋げ！【ハイキュー】 (ページ36)

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黒尾「ブハハハハハ！夜っくん、袖余ってる！！！ハハ！あ、待って！まてまてまて！痛い痛い！」

夜久「うっせえよ！！！！」

『え、サイズ大きかった？』

夜久「まぁ……多少、つかこれ男物だろ」

『よくわかったね！それは男物』

海「そうなんだ」

大分昔に何度か遊びに来ていた従兄弟が置いていったものを夜久に着せた。彼が中学に上がった頃ぐらいに来ていたことは内緒にしておこう。

『従兄弟のやつなんだけど、袖はまくれば出来るでしょ』

黒尾「あー、従兄弟って前言ってた宮城の？」

『そうそう』

黒尾「へぇ。ホラ夜っくん、袖まくってあげますよ」

夜久「自分でできるっつうの！！！」

騒がしい2人は放っておいて、私たちは軽く体を慣らすために海と対人パスをはじめた。

『あんだけ動き回ってたらアップしなくても良さそうだよね』

海「確かに、2人とも凄く元気だよね」

2人は土手を走り回っている、本当に子どもっぽくて困ってしまう。あんなのがキャプテンだなんて。

黒尾「ちょっと、今俺の事バカにしませんでした？」

『ちょっとだけ』

黒尾「そこは否定して！？」

あと、勘が鋭いのも困る。

夜久「もー、いいから。やろうぜ。」

『落としたら〜ってやつ、やる？』

海「狼谷が1番不利じゃない？」

『うーん、それはどうかな。ここはネットないし。』

黒尾「やっぱ今からでも学校行く？」

『行ったとて入れるの？』

海「今日は現実逃避の日なんでしょ？ホラ、行くよ」

『わ、ちょっ…海！』

コイツも、意外と害の無さそうな顔してこういうところは意地悪なんだった。

黒尾と夜久に比べてしつこさは無いけど、こういうときは1番意地悪！！！

ふわりと、山なりで優しいけれど、膝を曲げないと絶対に届かない位置にボールを投げる。

それを私が繋いで、落としちゃいけないミニゲームが始まった。

海「夜久」

夜久「おー。じゃあ、黒尾」

黒尾「ん。」

『はーい』

それぞれ優しく隣の人に繋いでいるだけ、まだ大丈夫。

黒尾「つかこれ、どんぐらい強く打っていいの？」

夜久「取れる強さなら、じゃね？」

『大分強いなそれ』

海「じゃあ俺から」

バシン！それは、あんまり外では聞くことの無い音だった。

海は変わらず仏のような笑みでその顔に似つかないスパイクを打った。そう、私に向けて。

海「取れるね」

『鬼め』

黒尾「オーライ、ほい夜っくん！」

バシン！！

夜久「こんなもんか？」

さっきより強そうなスパイク(仮)を軽々と高く上げる夜久は、やっぱり優秀なプレイヤーだ