繋げ！【ハイキュー】 (ページ34)

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あれはもう2年も前

狼谷Aが中学3年生だった頃。この頃の私は、それはそれは元気にバレーボールをやっていました。

「じゃあ明日のスタメン、1番狼谷」

『はい！』

中学の部活では、キャプテンと部長を兼任していた。

1番のユニフォームを着てみんなの先頭に立って歩く。元々強豪校と呼ばれる中学で、この年は特に歴代最強だなんて噂されていた。

都大会優勝まであと一歩、地区予選への出場は決定していてもその1戦を勝てるか否かで大分心持ちが違うのだ。

その時期の私はすこぶる調子が良かった。

というのも、このままいい所まで進めば当時から女子バレーの強豪校である新山女子高校から推薦の話が決定的になるというところまでいっていたから。

その試合当日も、新山女子バレー部のコーチや監督が視察に来ていた。

『よし、サーブでしっかり点稼いで行こう。』

「「はい！」」

第1セットの立ち上がり、自分でも怖くなるぐらいに全てが上手くいった。セットアップも、どこに上げてもどんぴしゃり。

自分がスパイクを打つときも、どこに打てば点を取れるのかが手に取るように感覚的に分かった。1セット目、2セット目は危なげなくこちらが取り、試合はずっと続いていく。

そして第3セット、相手のチームも体がようやく温まってきたのかラリーが続くようになった。

「ごめんフォロー！！」

『オッケー、任せてっ！』

多少サーブレシーブが乱れたところで、その日の私にのセットアップが崩れるなんてことは無かった。

「キャプテン！ありがとうございます！！」

『うん、落ち着いて1点1点順調に重ねていくよ』

「はい！」

けれど、ピンチサーバーにまとめて点数を持っていかれて、第3セットを取られた。

第4セット目、やはり相手もどこかの猛者を倒してここにいるわけで、一筋縄ではいかずにセットを取られた。

ファイナルセットの5セット目、どちらか片方が15点を取った時点で試合が終わってしまう。

『………ふぅ』

集中が続いてお互いに1歩も譲らない試合は、デュースまでもつれこんで、20-21になったところ

あと1点を取られたら、負ける。

そんな緊張からか、やっぱりチームメイトの動きも固くなった。チームの空気と同じように私の体にもきっと緊張が走っていたんだと思う。

「ラスト！！！」

エースがブロックアウトをスパイクを打った。そしてブロッカーも直前でそれに気が付いて、腕を動かした。

『(やばい、後ろ……)』

前のめりになっていたせいで、後ろの方に飛んでいくのを予測できていなかった私は、とにかく懸命に走った。

でもその1歩は前に出なくて、力が抜けたように床に倒れ込んだ。