繋げ！【ハイキュー】 (ページ33)

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『あーーー、あった、夜久これも持ってて』

夜久「分かったけど……お前、どんだけトロフィー出てくるわけ？」

『今ので最後』

話したくないから、あんまり触れないで。

夜久「お、ベストリベロとってんだ」

『昔ね』

夜久「こっちは中学の、ベストサーバーと準優勝」

『………ボール、あったよ。やっぱりベコベコだし黒尾が空気入れ取りに戻ってくれて助かった』

夜久「なんかもったいないな、こんな沢山あるのにプレイヤー辞めちゃうなんて」

夜久に悪気は無いことはもちろん承知の上で、私は最大限嫌な顔だけしておいた。

夜久「狼谷はタッパもあるしさ、多分続けてたらもっと身長も伸びたよなって思うワケ」

『まあね〜』

夜久「どんな怪我かもわかんないし俺がとやかく言うことじゃないけどさ、バレーしてる時の狼谷楽しそうだから」

『…バレーしてるときは、楽しいもん』

夜久「じゃあ何で」

夜久が言いかけたとき、インターフォンの音がした。
海が黒尾を連れてきたのだろう、鍵は空いてるんだし入ってくればいいのに丁寧なやつだ。

やっぱり、家にはトラップがたくさんあって、黒尾もまた昔のことを聞いてきた。

黒尾「玄関に賞状倒れてたけど、アンタ中学校のとき都大会の最優秀選手賞なんて取ってたの」

『あれは倒れてたんじゃなくて見えないように倒してたの』

海「見えないように？何で？」

『中学のときのこと、あんま思い出したくないから』

夜久「こんなに表彰されてて、スゲー選手なのに？」

『……嫌味に聞こえるかもだけど、だからだよ』

だからとは、そんなことを思ってるんだろうなという顔でポカンとした。

『未だにあの日のこと思い出して、魘される』

海「あの日って？」

『怪我した日のこと。試合中だったんだよね。』

黒尾「……マジ？」

『こんなこと、嘘言わないけど』

マズイことを聞いてしまった、と言わんばかりの海と黒尾。海がこんなに気まずそうな顔をするのは新鮮だったからちょっとだけ面白かった。

夜久「俺、聞きたい」

けど、そんな2人を無視して夜久は真っ直ぐ言ってきた。

『その目で見られると、断れないデス』

黒尾「夜っくん行け！あともう一押し！」

『こらふざけない』

夜久「いやマジで、俺は本気で聞きたいの。狼谷のこと。」

もし昔のこと話してまた……また？
いやいやいや、あの時はチームメイトのせい(ってことにしておいている)でバレーボールを嫌いになった訳で、今のみんなは、関係なくないか？

『長くなるかも』

夜久「時間はある！」

そうして、未だにトラウマになっているせいで思い出すのも嫌な私の昔話をすることになった。