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「ごめんね、待った?」

優しい言葉とは反対に元気百倍でやってきた木兎くん、今日はそんな彼に誘われて実業団の試合を見に来た。

『さっき着いたところだから大丈夫、会場ってここから近い?』

「うん、そんなに遠くないよ」

『そっか』

2人で並んで歩く道のりは、緊張に塗れていた。でもそれは私だけだと思うけど。

木兎「俺さ、聞きたかったんだけど」

『うぇ』

木兎「何でバレー辞めちゃったの」

一歩前に出たかと思えば、私の前に立ちはだかりそんなことを聞いてくる。余裕を持った待ち合わせをしていて、時間はまだたっぷりあるから尚更。

『怪我して、それで、ズルズルって感じで辞めちゃった』

木兎「何で?」

『なんで、って言われても……』

木兎「怪我…俺怪我ってまだ大したやつしたことないんだけどさ、怪我したときってどう思うの」

正直聞かれたくない質問は私にもしっかりある訳で、でも木兎くんは何にも悪気がないってこともちゃんと分かるから怒りをぶつけるとか、そういうことも出来ない。

別に、そういうことがしたいってわけではないんだけどさ


『………あんまり思い出したくないんだ、そのこと』


だから、私も正直に答えた。

こんなに真っ直ぐな人なら、きっと他の人の嫌な気持ちも分かってくれると思ったから。


木兎「ふーん、そっか。ヤなこと思い出させてゴメンな!
もうすぐ体育館着くし、俺が今日の見どころを教えてやろう!」

ナハハ!って笑う木兎くんは、どうしても同い年に見えない。

たまに見せる圧倒的なエースの資質とか、目が離せなくなるぐらいに魅力的な一面とかは勿論あるけれど、それ以外の彼は本当に子供っぽい。


木兎「白ユニチームのリベロ、来シーズンから移籍してめっちゃ強いとこ行くんだって。」

『へぇ、国内?』

木兎「いや、イタリア!」

『イタリア…すごいね』

木兎「な!」


普段はあんまり実業団の試合を見ることは少ないから、今日こんなふうに連れ出して貰えて凄く楽しかった。

木兎「Aはもうバレーはやらねえの?」

『気が向いたら、またやろうかなぁ……なんて』

木兎「おお!じゃあ練習には俺が付き合ってやるからな!」

『ふふ、そうだね。ならお願いしようかな』


木兎「ほ、」

『ん?』

木兎「初めて、笑った」

『そんな、人をサイボーグみたいに言う』


木兎「あ!!!!今の見た!?!すげえバックアタックだったな〜!」

『あ、うん。』


もう本当に、たった数時間木兎くんと一緒にいただけなのに凄く疲れた。これにいつも付き合っている(らしい)あかーしくん、すごいんだな

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ゆめの(プロフ) - 投稿頻度凄い高くてうれしいです!頑張ってください〜⸜(*´꒳​`*)⸝‍ (2月27日 1時) (レス) @page28 id: 98dd5cf759 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:HAL | 作成日時:2024年2月23日 4時

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