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『お、覚えてます！！
確か相田さん？でしたっけ、あの時の名刺、今でも大事にしてますよ！』
そう、初めて私自身に対しての取材だった事もあり1番の思い出なのだ。
それまでは"湊浩一の娘"という肩書きが付き纏ってきて、ロクに私の事を見てくれるメディアなんて無かった。
相田「そう、相田です！
あれから全然お会いできてなかったけど、湊さん高校は陵南にしたの？」
『いえ、私は……』
上に来ていた白いパーカーを脱ぎシャツに書かれている学校名を見せた。
相田「あらっ、湘北！？
………でも湘北って今海南とやってるわよね、どういうこと？？！」
相田さんは混乱してるみたいだった。
まあそりゃあ自分の学校の試合がやっているのにそれをほっぽって別の高校どうしの試合を見に来ているんだし、しょうがないっちゃしょうがないんだけど…
『進路の関係です、それと偵察』
相田「進路…？
まあいいわ、それは置いといて偵察とは興味深いわね。
……それで、湊さんから見て武里と陵南の試合はどうだったかしら？」
一層真面目な顔になってそんな事を聞いてきた相田さん、ウチの試合を少し見てからこっちに来たみたいだったからそういう意味でも気になっているのかも。
『流石陵南、って感じでした。
魚住さんと仙道さんが出てくるとやっぱり試合の盛り上がり方が違いますねぇ…』
相田「そういう事じゃないのよ！！」
素直に感想を言っただけなのにそれは少し悲しい、かも。
『と、言いますと…？』
ﾋﾞｼ!!!!と指をこちらに向けてズバリ！！！と言っている。
隣の若い記者さんは少し戸惑ってて良いコンビに見えてしまった。
相田「湊さんのイチオシの選手は！？」
『……仙道さん？』
相田「じゃあ、湘北と陵南が戦う時のキーマンは？？」
『仙道さん、』
相田「じゃあ、この試合のMVPは？！」
『仙道さ……じゃなくて、あの、13番の人です。
選手は一通りチェックしてたと思うんですけど、彼の名前分かんなくて。』
相田「13は福田クンね……
よく分かったわ、湊さんありがと！
この後はまた湘北の試合に戻るのかしら？」
『ええ、戻ります。
まだ終わっていないでしょうし……』
「お、そのパーカーはAチャンだな？」
相田さんたちとこの後の話をしていると後ろから声をかけられる。
その声は多分……
相田「…せ、仙道くん！」
仙道「？
こんにちは、彦一のお姉サン？ですよね？」
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作者名：HAL | 作成日時：2023年2月3日 2時
