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『ヒコイチ？誰ですか？』
相田「あぁ、ウチの弟で、今は陵南でバスケットやってるの。」
仙道「俺の後輩ね」
『なるほど？』
仙道「俺たち今から湘北の方行くけど、一緒に行く？」
遠くの方では仙道さんを呼ぶ声も聞こえる、わざわざ声を掛けに来てくれたのだろうか。
相田「じゃあ私たちは先に行くわね！
2人とも、また後で会えるかもね。」
『はい、また！』
せっかく声を掛けてくれたんだから、と私は陵南の人達(主に仙道さん)と一緒に会場へ向かうことにした。
「遅せぇよ仙道、ってお前……」
『ひ、久しぶり……です』
「……背ェ伸びたか？」
こいつは因縁の相手越野宏明、確か高校に入学したあたりだったか、仙道さんと待ち合わせしていた時に運悪く私に声をかけてきたんだ。
いわゆる、ナンパってやつ。
『越野が縮んだんじゃ…？』
越野「ンだと、相変わらず生意気なヤローだな！！」
結局ちょうど声を掛けられて断ったところを仙道さんが見ていてネタばらし、と言う形になっていたんだっけな。
越野は尊敬とかじゃなく単に悪友って感じだった。
あのことが起こって以降はバスケットと距離を取っていたために自然と話すことも話す機会も少なくなっていたけれど、なんか越野は不思議と昔のように話すことが出来る。
『やば、早く行かないと試合！』
仙道「そーだね、急ごうか」
もうひとつの会場へ到着するまでの道のりは特に何事も無かった。
しかし会場へ到着すると、何やら嫌な予感がしてきた。
と、いうのも、会場から出ていく人たちがあまり面白くないことを話しているのが聞こえたからだ。
「あの赤い方の4番、痛そうだったな」
「ありゃあ、今日はもうダメだろ、結局海南が勝つんだろーな」
赤の4番は恐らく湘北、赤木先輩のこと。
何があったか知らないけれど私たちにとって嫌なことが起きていると言うのは容易に理解出来た。
『ここまでで、失礼しますっ』
陵南の方たちに軽くお辞儀をしたら全力のダッシュでベンチへ。
結局話していたのは仙道さんと越野ぐらいだったかな、なんて考えて。
赤木先輩がどうか無事でありますように、と祈っていた。
私が会場に着いたのは、前半終了間際、残り2分ぐらいの頃だった。
ベンチへ行くと、そのうちの何人かは青ざめていた
『何が、あったんですか…』
やっぱり、さっきの話は本当だったんだね。
「赤木先輩が着地の時に牧さんの足を踏んでしまって…」
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作者名：HAL | 作成日時：2023年2月3日 2時
