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数人の力を借りてベンチ裏まで運ぶことが出来た。
桑田「先輩、買ってきました！！！」
『ありがと』
三井「悪ぃな………」
『こら喋らない！
大きく深呼吸して、ポカリ飲めるんなら飲んでくださいね』
唇から出ている血を拭う為に、救急箱を開けた。
『(ガーゼでも使えばいいのか……？)』
三井「……クソっ、！！」
『大丈夫、ですか？』
三井さんは自分でプルタブを開けるのでさえ難しいようだ、残り2分程の試合はもう出られないだろう。
三井「(俺は……俺はなんてムダな時間を…)」
『三井さん、前に私言いましたよね？』
三井「ぁ……？」
『赤木先輩と、以前見てきた人を重ねてしまったって。
私ね、他にも見ているんです、とても印象に残ってる人。
三井さんみたいに体力がなくて、それでもチームの為にと試合に出続けて、遂には練習中に倒れてしまい脳の機能に障害が残ってしまった人とか。』
三井「……」
『私は、三井さんがバスケットしてる所をずっと見ていたい』
三井「俺ぁ……散々メーワクかけた、
意識がハッキリしていないのか、心の奥底の気持ちだろうか、次から次へと吐き出してくる。
「一生治んねぇような…傷つけて、俺がオレじゃ無くなるみたいで、自分が誰か分かんなくなって……」
『……』
「やっと復帰したってのに、今度はこーして役に立たねぇで………」
『そんなこと、いわないで』
ゼェゼェハァハァ言いながらまだ続けようとする。
『ねぇ、やめて。
私は、三井さんがいつか掛けてくれた言葉のおかげで一歩踏み出した、三井さんのその綺麗なプレーのおかげでまた頑張れた。
役立たずなんかじゃない、だから……泣かないで』
三井「……ンな、優しくすんなよ、オマエだけは」
悔しさなのか寂しさなのか、何が理由で泣いているのかは分からない。
それに、私も私でたぶんおかしい、だって三井さんにいま抱きつく形になっているし
『……泣きやみましたか、三井さん』
三井「…ぁ？泣いてなんかいねえよ。アレは汗だ。」
わかり易いウソをついてもう一度立とうとする。
『無理しないで、私の肩貸すから』
三井「うるせぇ、オレは大丈夫だよ」
もういつもの三井さんだった、体調はまだ悪そうだけどベンチで座って試合を見るぐらいなら大丈夫だろう
三井「さぁ行こうぜ、俺たちが勝つところを見に、よォ！」
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作者名：HAL | 作成日時：2023年2月3日 2時
