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ピッ!!!


「タイムアウト!湘北!!!」




残り2分半、タイムアウトのコールを聞き選手たちがとぼとぼベンチへ戻ってくる。

スコアは65-61で湘北が4点リードしているものの、このままでは容易に逆転されてしまう。



『(安西先生がいないのが、痛い。)』




彩子「みんな、もう少しよ!!!
何としても勝ち切るわよ!」



彩子は強気に明るく振る舞うがどうにも表情が晴れていないようだ。


『安西先生に勝利を持っていきましょう。』


何人かはハッと顔を上げる。



『今の私たちには、策を立てて一矢報いるような事はできません。正直あと2分半は気持ちの問題。

でも、気持ちで負けたら……諦めたら勝てるものも勝てなくなる。』





宮城「それは、分かってるよ」


赤木「………」


三井「…………」





『みんなならダイジョブ。ね、あと2分半楽しも!』


少し無責任だろうか。

でも私は知ってる、彼らはバスケットを楽しんでるときが1番輝くから。













どうにかその言葉で彼らの普段のバスケットを思い出してくれたら、と思っていた。




『っ!!!!』


けれどそんな思いは叶わない。










「ファウル!!赤4番!!!」



木暮「あっ!」

彩子「4つ目……!!」





『まずい、これで4ファールプレイヤーが2人に……』





しかし、湘北を襲った悲劇はそれだけじゃ無かった。






「レフェリータイム!!!」


赤木先輩の四つ目のファールが取られてからそう時間もかからないうちにまた鳴り響く笛の音。










「ハッ!!」

「三井さんっ!!!!」



『エっ、!?』



スコアと睨めっこをして策を練ってみたがいい案は出ず、周りの声で視線を上げると三井さんがコートに倒れているのが見えた。


『(確かに、今日も三井さんは今日もフラフラだった。

……まって、後半、三井さんのシュートがほとんど無い、ずっとディフェンスやスクリーンについていたのなら普段より消耗しているのも頷ける……)』







私はすぐ三井さんに駆け寄り、状態を確認した。


『三井さん、三井さんねえっ!!!!』

肩を揺さぶるのは良くない。声を掛けてみるも意識があるのかないのか、どうやら混濁しているみたい




『三井さん唇切ってるから木暮先輩交代でお願いします。

桑田くんスポーツドリンクと水買ってきてほしい、ベンチ裏まで運びます、手空いてる子は手伝って!!


彩子、ちょっと頼むね。』

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作者名:HAL | 作成日時:2023年2月3日 2時

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