51 ページ1
グングンと自転車のペダルを漕いで辿り着いたのは海南大付属高等学校。
校舎に入ること自体は初めてじゃないけど、実に3年ぶりだった。
「あ!アナタ確か牧さんと一緒にいたAさん!!!」
駐輪場に自転車を止めたところで顔見知りの子に話しかけられた。
『ノブナガくんだ、今日はよろしくね』
「???ヨロシクすか?今日何かあるンすか?」
『あれ、牧さんから聞いてない?
今日海南の練習見に来たんだけど』
「んー、聞いてねえっス。
とりあえず体育館いきましょ!オレ案内します!!」
なんだかとても嬉しそうだ、可愛い。
花道や機嫌がいいときの流川はこんな感じだし、私は周りの後輩に恵まれているのかも。
ノブナガ君について行くと広い体育館に到着した。
清田「Aさん、シューズあります?
てか着替えますよね…!!
更衣室案内しますね、あ、牧さーーーんっ!」
手をブンブン振ってる、元気が大変よろしいようで。
牧「清田か、……それにAも。良く来たな」
『こんにちは〜』
牧「明後日はいよいよ湘北との試合だからな、今日は軽いメニューをこなしてゲームで終わりだ。
どうだ、入るか?」
断るという選択肢は無さそう、周りの人から結構見られていて緊張するけど私をグレードアップさせるためにもここは練習に入れてもらうしか無い…!
『メニューのことなんですけど、父さんが作ったやつまだ使ってます?
アレぐらいなら多分行けるんですけどアレよりキツいとシューズが先に悲鳴をあげちゃいそうで。』
牧さんに交渉してみる、さっき合わせたとき思ったよりガタが来ているような感じがしたから私のためにも周りの選手たちの為にも危ない状況を作り出すことだけはダメだ。
牧「湊さん考案のメニューよりは全然楽だろう
まず走ってからアップ、シュート練、守備練、ミニゲームで終わりだ
特に問題ないと思うんだが、一緒にやろう。」
『ううん、断る理由もありませんしね…
体力が持つか少し心配ですけど行ける所までぜひ』
それから更衣室を借りて動きやすい服装に着替える、私が再度体育館へ戻ると中にいた人数が随分と減っていた。
今日だけは特別メニューとして、ベンチ入りメンバーのみで練習を行うらしい。
『湘北高校2年、湊Aと申します。
2年3年の方は分かるかなと思いますが、昨年までここでコーチしていた湊浩一の娘です、何卒。』
やはり父の名前を出すと分かりやすく皆の顔が歪む
150人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:HAL | 作成日時:2023年2月3日 2時