汚職警官は、大切な人を救えるか？ (ページ12)

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それから程なく駆けつけてきた同僚と部下が惨状を目の当たりにして、言葉をなくしていた。

降谷「……」

風見「梅田、さん。」

降谷「梅田捜査官、報告を。」

『.....』

急かすようにそう言って来たが、さっきの光景は自分でもまだ受け止めきれておらず言葉にできない

降谷「早くしろ。」

風見「あの、降谷さん、少し時間を置いた方が...」

降谷「私情を挟むな、これは明らかな殺人だ」

『.....私が来た時には既に、この状態だったわ。』

降谷「それで？
他に怪しい人影は無かったのか」

『あった。』

私が見たと証言すると、3人の間に流れる空気がピリっとした。

『例の組織の人間だ、と名乗る男。
この子を利用して私を誘き出したかったのだと言っていた。』

降谷「アイツらが。

それで顔は見たのか？」

『.....記憶が曖昧で、あまりよく覚えていないの。

本当に、ごめんなさい。』

降谷「それなら仕方がない、か。
よし、ここは風見に任せる。そろそろ一課の刑事が来てしまうだろうしボクたちは早く場所を変えよう。」

『.....ええ、分かったわ。』

なかなか動き出さない私に呆れ、手を引かれるまま零の家に連れてこられた。

降谷「いつまで黙っているつもりだ？
そろそろ話してくれてもいいと思うんだが。」

『...何のこと？』

降谷「巫山戯るなよ
キミは一体あの場で誰に会ったのか聞いているんだ」

『さっきも言ったじゃない、』

きちんとした答えを出さない私に溜息をつきながら零は飲み物を入れていた。

降谷「ほら、こんな時は甘い飲み物でも飲むといいよ」

ココアを出してくれた。

降谷「全く、景がやった訳でもあるまいしそんなに頑なに口を閉ざす必要は無いだろう？」

ｶﾞｼｬﾝ!!!!

降谷「わっ、大丈夫か？」

『ごっ、ごめんなさい』

降谷「まさか、.....嘘だろう？」

さっきの事を思い出したら、いつの間にか手が震えてきた。

どうしよう、零にバレることだけはいけないのに

降谷「落ち着いて、大丈夫だ。」

『わたし、何も見てないから...

ホントだよ、お願い...信じて。』

あぁ、いけない。

こんな姿、逆に全部見てましたって言っているようなモノじゃんか

降谷「ボクは君を信じるよ、大丈夫さ。

しっかり息を吸うんだ。そう、上手だな」

その場だけの言葉だと分かっていても、それに縋るしか無かった