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ジンが倉庫内へ入ってくると、私たちを取り囲む雰囲気がガラッと変わった。







ガッ

ジン「これがエサか」


『その足、退けなさい。』






ジンが、あの子の顔面を踏みつけたのだ。

ジン「こんな奴の為にのこのこ出てくるとは、テメェも落ちたな。」



『足を退けろって言ってんのよ。』


今までの自分では考えられないぐらい、殺意が湧いた。

冷たい声、目、私が彼らに向ける全てが今までで一番冷酷なものだと自分でも感じた






ジン「疑わしきは罰せよ、だったよな。」




それなのに、何故か目の前のジンは少し悲しそうな顔をして拳銃を構えていた


しかしそれは私だって同じこと


『どっちが早いか、試す?』



連絡が途切れたら此処へ来るように、ゼロや風見に言伝を頼んだ。


私がここで撃たれたとしても、急所を撃ち抜かれない限り恐らく助かるだろう。








『………』


ジン「辞めだ。」





スコッチ「…いいのか」


『え、?』






ジン「白けたからな、お前がこの場でスパイとして働く方を変える誓うなら見逃してやる。

ただし次はないと思え」



『……そう、それならお言葉に甘えるわ。』







なんだか、この場を切り抜けられそうだしね



ジン「……」







「『?!』」


私とスコッチが同じように感じた、ジンからの視線。

とても温かいものだった。



普段の彼からは絶対に考えられないような優しい瞳








ジンはそのまま倉庫から出ていき、そう時間も掛からないうちに私の手配した人達がやってくる音がした。





スコッチ「悪いけど、オレは隠れさせてもらう」


そう言ってスコッチは音もなくどこかへ消え、倉庫には私と彼女の二人だけ。



椅子に座ったまま縛り付けられていて、恐らく身動きは取れなかっただろう。

目隠しをしていたと思われる布が首まではらり、と下がっており、顔面を何度も殴打されたのか、顔だけで判別するのは少し難しそうだ

よく見ると腕や脚にも傷は見られる



















『スコッチのこと、信じてたのに………』


ポツリと口から零れた呟きは誰にも届かない



















『私がこんな事しているせいで貴方のこと巻き込んでごめんなさい』


言葉にしたら、涙が溢れてきた。





なんで彼女だったのか、どうしてこの子じゃないといけなかったのか。


『もう、無理だ……』



















一言でいうと、絶望

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霜月千(プロフ) - まさかの展開で心臓バクバクで夜しか眠れません…更新楽しみにして待ってます‼︎これからも頑張ってください‼︎ (2022年7月16日 14時) (レス) @page12 id: daaa59ce20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:HAL | 作成日時:2022年7月3日 2時

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