81. 時々 ページ47
《銀時 サイド》
「神楽。あの箱見なかったか？」
「知らないネ。銀ちゃんも歳ダナ。」
「いやいや、俺はまだ20代後半のお兄さんたからね？！つーか可笑しいだろ、確かに押し入れに入れた筈なんだけど。」
まいったな…
あの箱の中身は今日渡すつもりだったのによ…。
「つーか、見つからない訳ねぇだろうが！…定春が間違えて食っちまったか？」
定春の口元を横に引っ張っても噛まれるだけだ。
「銀さんそろそろ行きますよ！！」
もう時間だし、次の日に渡すか…。
…………
かぶき町の桜祭り当日は
思った数より人が混んでいた。
色んな屋台も出ていて、
いつもより更に賑わっている。
レジャーシートでも敷いて、ぱぁと酒を飲みたいところだが、
俺達は生憎、こんな日でも仕事だ。
「おーい！銀さんこっちこっち！」
「お？マダオがいるネ。おーい！！」
俺達を見つけた長谷川さんが勢いよく手を振っていた。
「ここの店番頼んだよ！ちゃんとやれば、金は弾むから。ここは銀さんに任せても良いんだよね！？」
「わかってらぁ、んな事。とっと行け！」
当日はこの出店を任される事になっている。
長谷川の紹介でこの仕事を得た。あいつも他に店番する所があるみたいだしな。
「……えっと、僕たちはたこ焼きを作れば良いんですよね。」
「まぁ、適当に作りゃ良いだろ。
神楽変なモン入れんじゃねーぞ。酢昆布隠してもバレバレだかんな。
やる事ねぇなら、この看板持って客呼び込め。」
「……ちぇ…。」
……………………
「私も花見したいアル…。」
数分も経ってねえうちに、
神楽が駄々をこねり始めた。
「…今年の桜綺麗ですし、晴天の内に僕等もしたいですね…。花見。」
「仕事早めに終われば、するか。」
そう言った途端、
あいつらは急にやる気を出しやがった。
神楽は直ぐに客を呼び込みに行って、
新八は直ぐにたこ焼きを作り始めた。
「……ったく、しょうがねぇな。」
花見にAも誘うか。
誘いそびれたがあいつも此処に来るだろうし、
会えるよな？
たこ焼きをひっくり返す途中、
人影が指し、営業スマイルで客に応じた。
「いらっしゃいませ！たこ焼き一つ如何ですか……げっ！？」
「たこ焼き一つ…。後、マヨネーズ大盛り頼む………げっ！？」
「なんでお前が来るんだよッ！」
会いたかった奴と違う奴に遭遇しちまった。
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綾葉メグ(プロフ) - ミイラさん» 読んでくれありがとうございます！そう言ってもらえて書いて良かったなと思います！ (2020年4月1日 1時) (
レス) id: 937ad8ad2e (このIDを非表示/違反報告)
ミイラ(プロフ) - とっっても面白いです！ (2020年3月28日 2時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
綾葉メグ(プロフ) - 読んで下さりありがとうございます！そう言ってくれると心の励みなります！ (2019年12月12日 23時) (レス) id: 2cd78e4a1d (このIDを非表示/違反報告)
梨央(プロフ) - とても面白いです！これからも頑張ってください！！ (2019年12月12日 22時) (レス) id: 5659f84446 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾葉メグ | 作成日時：2019年11月25日 18時
