80. けど ページ46
目的地に辿り着き、
私を指名した人物が待機する部屋へと足を運んだ。
「ご苦労だった、片栗虎。
____そして、お初にお目にかかる。楠本殿。
今日は宜しく頼む。」
部屋から庭を眺めていた人物が、
ゆっくりと私達の方へ振り向く。
「連れてきたぞ、将ちゃん。」
『こちらこそ、宜しくお願いします。将軍様。』
私の任務とは将軍様のお相手役、
ーーーと表向きそうなっているが、
彼の護衛としてここに呼ばれている。
近頃、将軍様の首を狙う輩が増えているとの事。
だが、時よりお忍びで江戸を回る事が好きな将軍様は何を言っても聞かない。
その度真選組が護衛に付く事があるけど、
逆に目立ってしまう為、
将軍様の相手役として、側で護衛出来る
女隊士の私が派遣された。
「二人、変装してもらうが、まぁ、楠本は真選組の中でも対した腕を持つ女隊士だから特に問題はねェな。
楠本、先を越されちまったが、デート楽しめよ？」
『………必ずやり遂げます。』
護衛ならまだしも…デートなんてした事がない。
(…、やっぱり副長に聞くべきだったかしら…)
一応雑誌とかに目を通して、
まずは手を繋ぐ事からとか書かれてあったから実戦したものの…
どうしても抵抗する自分がいた。
「……一応揃えてみたのだが、おすすめも用意してみた…。気にいるかどうか分からないが…。」
将軍様から用意された部屋へと案内されると、
色んな着物や髪飾りなどがずらりと並んであった。
どれも良い色合いで目も惹かれる物もあったが、一つだけ目に止まった。
どうやらこれが将軍様が言っていたおすすめ…なのだろう。
『………私が桜みたい…か。』
あの時の銀時の言葉を思い出しながらも、
用意された着物に袖を通す。
赤髪を隠す為に長めの黒髪のかつらを被り、
髪を後ろに一つにまとめ、簪を刺した。
そして普段はあまりしない化粧をつけて。
鏡に写る自分は他人に見えた。
………………
将軍様も身支度を整え、
改めて今日の任務の打ち合わせにかかる。
「そういやぁ、今日は貸切の旅館の庭園でお茶するんだっけか？」
任務内容として将軍様は茶会行かれる筈だったが…
「片栗虎、その事なんだが、今日は予定を変えようと思ってる。
今でしか見られない所らしく、是非行ってみて欲しいと言われてな。」
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綾葉メグ(プロフ) - ミイラさん» 読んでくれありがとうございます！そう言ってもらえて書いて良かったなと思います！ (2020年4月1日 1時) (
レス) id: 937ad8ad2e (このIDを非表示/違反報告)
ミイラ(プロフ) - とっっても面白いです！ (2020年3月28日 2時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
綾葉メグ(プロフ) - 読んで下さりありがとうございます！そう言ってくれると心の励みなります！ (2019年12月12日 23時) (レス) id: 2cd78e4a1d (このIDを非表示/違反報告)
梨央(プロフ) - とても面白いです！これからも頑張ってください！！ (2019年12月12日 22時) (レス) id: 5659f84446 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾葉メグ | 作成日時：2019年11月25日 18時
