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78. 背中を ページ44

(………ほんと、どうにかしてる。)



送ってれた銀時を置いて行ってしまったり、
心配してくれたであろう土方さん達に冷たい事を言って…。


その挙げ句、部屋に篭って眠らず研究して。



_______こんな事、初めてだ。




『………病気かしら…。』




静かに胸元に手を当て、
名も分からないこのモヤっとしたこの感覚に悩んでいた。




………………………


そしてやって来た約束の二日後。



私はあの例の任務の為、
早朝から支度をし近藤局長と共に
屯所の前に立っていた。




「ここ最近楠本先生がご機嫌斜めらしいと、噂で聞いたんだが…、何か悩みでも…?」




と横目で私を見る近藤局長。





『いえ、何もありません…ご心配かけましたね。』




たまにそういう時はあるよなと納得してくれた近藤さんにホッとした。




彼はこう見えても、部下の事を良く見てる人だから、無駄に心配をかけたくない。





「そろそろ迎えが来るはずなんだが………」





と局長がぽつりと言っていた時に、
黒い車がやって来た。



車は私達の目の前に止まり、
馴染のある顔が車から降りてくる。




(この人…、何処かで…。)




「元気にしてたか、近藤。それと華の女医と呼ばれた別嬪さん。」




「とっつぁん。あんたも人使い荒い!
こんな忙しい時に楠本先生を寄越せって…。」




白髪の中年男性そしてサングラスをかけた人物。彼は確かスナックであった人だ。




(……、それ以前に会った気がするけど…気のせいかしら…?)





「楠本先生、この人が警察庁長官の松平片栗虎。俺達の……一応上司だ。」




『……松平さん…、貴方が私を江戸へ招いた人…ですよね?
直接顔を合わせたのはこれが初めてですね。』





私は師から松平さんの依頼の為、
江戸へ向かうよう命令され、その拍子で真選組の専属医師となった。


一度、スナックで彼に会ったけど、
正式に顔を合わせたのは今回が初めて。






「…いや、初めてって言う訳じゃねぇが…昔の事だからお前さんは覚えて無いだろうよ。」




『…、それはどう言う……?』




と私の話を聞かずに、ただ私の手を引いて、





「ゆっくりお喋りしたい所だが、
お前さんに会いたい奴が駄々をこねる頃だ…。
と言う事で、近藤、後のこと宜しく〜。」



「ちょ、ちょっととっつぁん?!
楠本先生の事頼みますよ!!」





強引に車に乗せられ、
見送る局長の声が遠のく様に響いた。

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設定タグ:銀魂 , 攘夷組 , 真選組   
作品ジャンル:アニメ
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綾葉メグ(プロフ) - ミイラさん» 読んでくれありがとうございます!そう言ってもらえて書いて良かったなと思います! (2020年4月1日 1時) (レス) id: 937ad8ad2e (このIDを非表示/違反報告)
ミイラ(プロフ) - とっっても面白いです! (2020年3月28日 2時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
綾葉メグ(プロフ) - 読んで下さりありがとうございます!そう言ってくれると心の励みなります! (2019年12月12日 23時) (レス) id: 2cd78e4a1d (このIDを非表示/違反報告)
梨央(プロフ) - とても面白いです!これからも頑張ってください!! (2019年12月12日 22時) (レス) id: 5659f84446 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:綾葉メグ | 作成日時:2019年11月25日 18時

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