71. 前より ページ37
『失礼します、局長。』
「忙しい時にすまんな、楠本先生。」
真選組に入ってから半年が経つ。
あれから天人に関する事件はあまり無く、
いつも通り真選組の専属医師としての仕事をこなしていた。
時間があれば自分で薬を開発したり、
薬の調合の実験をしたりして暇を潰していた。
ミツバの件もあってか、より多くの薬の調合の研究の為、他の医師からの意見を聞いたりしてる。
(……大江戸病院から借りた資料、朝方まで読んでたから少し眠い…。)
それで気を使わせてしまったのだろう…。
『…いえ。大丈夫ですので…あまり気になさらないで下さいな。』
「そうか？それなら良いんだが……。
じゃあ、本題に移ろう。」
その次の局長の言葉に、
先程感じていた眠気が吹き飛んだ。
……………
『……………。』
局長の前では渋々承知してしまったけど、
私で務まるかな…？
(…でも実際どんな感じか分からない…。)
どうしたものか…。
「あり？楠本先生じゃねぇですかィ。
今日は見廻りの番じゃないですよね？」
私が考えてる間に、
正面から沖田君と土方さんが来てるのに気付かなかった。
『お二人共ご苦労さまです。いえ、ちょっと考え事してて。』
「隊士と言えども色んな輩から狙われてる身だろうが。それよりお前、近藤さんから話しがあったよな。」
悩み事にストレートに聞く土方さん。
そう言うとこ銀時に似てる。
『…極秘なのであまり言えませんけど。』
「…？俺にも言えねぇ任務か？…危険な仕事じゃなきゃいいがな。」
局長があまり土方さんには言わない方がいいって言ってるので……
とそう思った途端、何かが思考に過る。
『副長、……手を繋いでくれますか…？』
すると二人は目を大きく開いて、
「……はァ！？」
「どうしたんでさァ？姉御。」
(本当、私ってば、何言ってるの……？)
自分の発言に気付いた私は、
即座に土方さん達との距離を遠ざけ、
『…あの、い、今のはほんまに無かったことにしとぉくれやす…っ！！』
「おい、A…！」
すると土方さんは遠のく私の手を掴み、
ギュッと握りしめる
「これで満足か？」
『えっ？ええ…。』
パッと離した土方さんの手先は、
少しだけ赤かった。
「これで良いだろ？…帰るぞ総悟。」
土方さんたちが去った後、
しばらくその場で土方さんに握られた手を見つめていた。
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綾葉メグ(プロフ) - ミイラさん» 読んでくれありがとうございます！そう言ってもらえて書いて良かったなと思います！ (2020年4月1日 1時) (
レス) id: 937ad8ad2e (このIDを非表示/違反報告)
ミイラ(プロフ) - とっっても面白いです！ (2020年3月28日 2時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
綾葉メグ(プロフ) - 読んで下さりありがとうございます！そう言ってくれると心の励みなります！ (2019年12月12日 23時) (レス) id: 2cd78e4a1d (このIDを非表示/違反報告)
梨央(プロフ) - とても面白いです！これからも頑張ってください！！ (2019年12月12日 22時) (レス) id: 5659f84446 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾葉メグ | 作成日時：2019年11月25日 18時
