67. 涙は ページ33
『……はぁ、……はぁ……。くっ…!!』
ちょっと暴れ過ぎたかな…。
豪雨だからあまり前が見えない。
今の所、この周辺にいる敵は殆ど倒せただろう。
「楠本先生…!!先にいらしてたんですか!?」
「局長…。えぇ、多分ここらへんにいた者は片付いています。居るとしたら船の周辺ですかね。」
予想通りに他の真選組隊員が増援に駆け付けてくれた。皆、土方さんが一人で無茶しているのをほっとけ無いんだよ。
「トシに続いて、楠本先生まで無茶をするとは…。本当手に負えない奴らばかりだな。真選組は。こりゃあ、トシだけじゃ無く楠本先生も反省文を書く始末ですな。」
近藤さんは少し呆れて私の肩を叩くと、
ただ困ったように笑顔を見せる。
「船の方は俺達が仕留める。楠本先生は、トシの事任せても良いか?」
『……分かりました、局長。』
直ぐに土方さんが駆け出して行った方向へと、
向かった。
まだそんなに遠くには行ってない筈…。
土方さんに限ってそんな事は無いと思うけど、
(……どうか無事でいてくださいね…副長…!!)
そう必死に願いながら、豪雨の中必死に走り続けた。
『……えっ!?』
「聞こえなかったか、馬鹿A。」
『……銀時…?!』
すると横から腰を掴まれ抱き上げられた先には、原チャリに乗った銀時だった。
銀時は私が後ろに乗った事を確認してから、
彼が被っていたヘルを私に装着させる。
「後ろからお前の事呼んでも全然振り向かねぇなんてな、美人らしい態度じゃねぇか。」
『……ごめんなさい…色々考えてて……。』
銀時の呼ぶ声が全然聞こえなかった。
聞こえなかったと言うよりも、土方さんが無事か…ミツバとの約束が守れるかとか…不安になってた。
「ったく、お前はいつもそれだ。守るとかそればっか。いつも一人で抱えてよぉ。
よく聞け。……頼れなんて言わねぇ…。お前に言っても無駄だろうし。
………でもな、こういう時は相手を信じろ。」
そう言った銀時の背中はほんの一瞬だけ、
先生の面影が見えた。
あの時の先生も……
“ーー誰よりも彼等を信じてくれる理解者になって下さいね。”
本当、私は何に怯えてるんだろ…。
私にはこんなに強い仲間が側にいるのに。
『…ありがとう、銀時。自信付いた。
ーー早く追いかけないとだね…!!』
「そうかい、スピード上げるからしっかり掴まれよ!!」
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綾葉メグ(プロフ) - ミイラさん» 読んでくれありがとうございます!そう言ってもらえて書いて良かったなと思います! (2020年4月1日 1時) (レス) id: 937ad8ad2e (このIDを非表示/違反報告)
ミイラ(プロフ) - とっっても面白いです! (2020年3月28日 2時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
綾葉メグ(プロフ) - 読んで下さりありがとうございます!そう言ってくれると心の励みなります! (2019年12月12日 23時) (レス) id: 2cd78e4a1d (このIDを非表示/違反報告)
梨央(プロフ) - とても面白いです!これからも頑張ってください!! (2019年12月12日 22時) (レス) id: 5659f84446 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綾葉メグ | 作成日時:2019年11月25日 18時