66. 幸せです ページ32
《土方 サイド》
刀を構え直し、俺は覚悟を決める。
俺には、今この場で戦う事しかあいつらを守れねぇから。
ザシュ…！
「……っ…！？」
すると突然、蔵場当馬がよろめき倒れた。
一瞬、何がどうなってるのか分からなかったが、あの特有の髪色を見て分かった。
「……くっ…、貴方もですか…。見かけによらない野蛮な人だったとは…。」
『あらあら、外れてしまいましたか…。残念ですね。
本来は、その小汚い口から何も言えないように、首を落とそうと思ったのに。』
「…ッ、！！お前、何でここに…！？
お前には関係ねぇ事だ。あいつは俺が仕留める…！！」
山崎の野郎、あんなに口を止めたのに…！！
『…副長、私は貴方を助けにここ来た訳じゃないです。
貴方もその男のプライドと言うもんがあるでしょうし、何よりこんな人達に殺られる人じゃないのでしょう？』
「…じゃあ、何でお前はここに来てるんだよ！
冷やかしに来たか。」
『貴方と同じ、その幸せを守りに来たんですよ。』
そう言ったAの目は以前の様な冷たい目じゃなく、ただ暖かな目をしていた。
……ったく、こりゃあ一歩も下る気はねぇ…ってか。
俺達が言い合ってる間に、蔵場当馬が行方をくらました。逃さねぇ…何としても。
『…局長達もここに向かっている筈です。
ここは私が何とかするので、先に行って下さい。あの人は先程痺れ毒を掠って置いたので、遠くには行けない筈です！！』
……近藤さん達まで…。こりゃあ叱られるな。
いや、分かってた筈だ。あいつらに何を隠そうと必ずバレるって事くらい。
「……敵わねぇな。お前も、あいつらも。
俺の周りには馬鹿しか居ねぇらしい。」
それくらい、そいつらに囲まれた俺も同じ馬鹿な野郎ってこった。
『今更ですか。あと一つ、そんな馬鹿な土方さんに言わせて下さい。
さっきの言葉、ちゃんとあの人の前で伝えて下さいよ。このヘタレ副長。』
そう言って、あいつが投げたのはミツバの好物の煎餅と恐らく出血止めの薬。
「…けっ、余計なお節介だ…。
ーーありがとよ。」
Aをその場に置いて、逃げ出した蔵場当馬の後を追った。
「……女一人ならどうって事何ねぇな。」
「…早くやっちまおうぜ……！」
『余り舐めてはると、痛い目見るわよ？』
Aは俺が認めてる強い真選組の女剣士だ。
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綾葉メグ(プロフ) - ミイラさん» 読んでくれありがとうございます！そう言ってもらえて書いて良かったなと思います！ (2020年4月1日 1時) (
レス) id: 937ad8ad2e (このIDを非表示/違反報告)
ミイラ(プロフ) - とっっても面白いです！ (2020年3月28日 2時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
綾葉メグ(プロフ) - 読んで下さりありがとうございます！そう言ってくれると心の励みなります！ (2019年12月12日 23時) (レス) id: 2cd78e4a1d (このIDを非表示/違反報告)
梨央(プロフ) - とても面白いです！これからも頑張ってください！！ (2019年12月12日 22時) (レス) id: 5659f84446 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾葉メグ | 作成日時：2019年11月25日 18時
