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40. 過去編回想3:  黒髪の師匠 ページ4

この日は違う人が来ていた。
見慣れた銀髪じゃ無く、黒髪の子が。



よく見たら怪我を負ったまま、眠っている。




『……っ、どないしよ…。』




赤の他人だからあまり関わらない方が良い…
でも私は何故かほっとけ無かった。




『……お、起きた…。』



「……てめぇ…、誰だよ…。っ…!」




手当してる間に突然起きるから、少し対応に戸惑う。なんて言おう。




『怪我、してたから。手当てしただけ…。』




勝手に触った事…怒るかな…。そんな事を思いながらも彼の機嫌を伺う。




「……そうか、ありがとな。礼はさせてもらう。遠慮なく言ってもいいぞ。」



『…いや、礼なんて…、』




ただ手当てしただけなのに、と思いながらも目にしたのは彼が持っている竹刀。



義理兄が良くこれを使って練習をしていた。




『……私に、刀の使い方教えてくれ…!』



「……はぁ?!」




最初は彼は承知しなかった。この時代、女の子は刀なんてそんな侍の魂である物を持つ事は許されかった。




それでも、強くなれるなら。義史兄ちゃんの代わりに守ると決めたあの日から。





「良いぜ、俺は高杉晋助。やるからには女でも容赦しねぇぞ。」





それからと言うもの夕暮れ時になれば、
爺ちゃんに内緒で刀の稽古を始めた。




彼は内緒で寺小屋から2つの竹刀を持ってきて、素振りや彼と対戦したりする。




やっぱり男の子との大差では敵わない。




しばらく続ければ、掌は女の子が持つようなものじゃなく、豆だらけになっている。




「A、お前も寺小屋に来れば良いじゃねぇか?そこなら俺より良い先生が居るし。」




『外だけは出たらあかんて、爺ちゃんに言われて…。』




神社の外には出させて貰えない。理由は分かるけど、ほんのちょっとだけ寺小屋に通える子が羨ましい。




「お前はそれで良いのか?行きたいんだろ?」



『…、行きたい…。』



「では、決定ですね。」



「……げっ、松陽先生……」




晋ちゃんが苦そうな顔をして見る先には、栗色の長髪をした人が立っていた。



その隣には銀時と見慣れない子がいる。




「竹刀が足りなかったのはそういう事だったのか。」



「高杉、妙に神社に寄るなと思ったら、お前女子といちゃいちゃしていたのだな?」



「してねーよ!!」




「貴方が、楠本Aさんですね?

私達と一緒に学びませんか?」




その時の先生の顔が黄昏れ時に照らされ、綺麗に見えたのは今でも覚えている。

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設定タグ:銀魂 , 攘夷組 , 真選組   
作品ジャンル:アニメ
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綾葉メグ(プロフ) - ミイラさん» 読んでくれありがとうございます!そう言ってもらえて書いて良かったなと思います! (2020年4月1日 1時) (レス) id: 937ad8ad2e (このIDを非表示/違反報告)
ミイラ(プロフ) - とっっても面白いです! (2020年3月28日 2時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
綾葉メグ(プロフ) - 読んで下さりありがとうございます!そう言ってくれると心の励みなります! (2019年12月12日 23時) (レス) id: 2cd78e4a1d (このIDを非表示/違反報告)
梨央(プロフ) - とても面白いです!これからも頑張ってください!! (2019年12月12日 22時) (レス) id: 5659f84446 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:綾葉メグ | 作成日時:2019年11月25日 18時

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