64. 私は ページ30
《銀時 サイド》
あれからAはあのニコチン野郎の元に向かい、俺達は交代でミツバを見守っていた。
まぁ、総一朗君とゴリラの食い違った口論もあったけど、こっちも収まった見てぇだ。
ゴリラに殴られた総一朗くんは、……まぁ、沖田は寝たフリをしている俺に話をかけてくる。
「……本当はわかってるんでさァ、姉上が意味無くあの野郎に惚れる訳がないって……分かってるんでさァ、あの野郎が本当は姉上を思って、想いを踏みにじってまで突き放した事くらい…!」
「………」
どうして…世の弟はこうなんだろうな。
新八も、こいつも…そして……光徳も。
………………
「銀時さん…お願いします、姉上の変わりに俺を戦に連れて行って下さい…!!」
「……お前は戦に出れる身体じゃねぇだろ。」
戦が始まる2日前、光徳は俺達の前で土下座をした。予定通りAを戦に連れて行くつもりだった。
「……姉上は……強くても女です。
人並みに恋をして、普通の女子と変わらない毎日を送らせたい。……笑顔が凄く綺麗な姉上に……血生臭くさい所に行かせたくないんです。」
分かっている…。
強くても結局は女。
それに光徳が言ってる通り、
笑顔が綺麗なあいつだから、守りたい。
それは否定出来ねぇ。
「………だったら、Aも連れて行かねぇ事にする…が、お前も連れて行かねぇよ。そんな身体で何が出来るんだ。」
黙っていた高杉も俺達の話に口を挟む。
「……僕は、家族の幸せを守りに戦いに行きます。その為にはどんな手でも。それが俺の決意です。」
「……男の使命ってやつか。」
………………
俺等は大切な奴の幸せの為に
命を掛けちまう生き物なんだよ。
それなのにAは男に負けず、
いつの間にか逞しくなってらぁ。
俺はあの言葉をAから聞いて、
あいつの手を手放した。
今度こそは迷わずに。
「旦那……良かったんですかィ…?姉御を行かせて。姉御思いの旦那が取る行動じゃねぇでさァ…。」
「…可愛い子には旅をさせろって言うだろ?
……それにあいつは……もう一人じゃねぇさ。」
あいつには過去を振り切った瞳をしている。性別関係なく、人間として自分の武士道を貫こうとしてる、腐れ縁の俺に出来る事は
「……行くか。
Aああ見えて、方向音痴なもんで。」
「…ふっ…そりゃあ、大変だ」
二度とあいつが迷子にならないように、
側にいてやるだけだ。
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綾葉メグ(プロフ) - ミイラさん» 読んでくれありがとうございます!そう言ってもらえて書いて良かったなと思います! (2020年4月1日 1時) (レス) id: 937ad8ad2e (このIDを非表示/違反報告)
ミイラ(プロフ) - とっっても面白いです! (2020年3月28日 2時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
綾葉メグ(プロフ) - 読んで下さりありがとうございます!そう言ってくれると心の励みなります! (2019年12月12日 23時) (レス) id: 2cd78e4a1d (このIDを非表示/違反報告)
梨央(プロフ) - とても面白いです!これからも頑張ってください!! (2019年12月12日 22時) (レス) id: 5659f84446 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綾葉メグ | 作成日時:2019年11月25日 18時