61. こんなにも ページ27
『………それは勘違いよ。
私達はミツバが思ってるような仲じゃない。』
ミツバの目を見れば分かる。
彼女が色々誤解してる事を。
私も彼女と同じ様な気持ちを持った事があるから。
「……私ったら、勘違いしてしまって…。
………お相手は銀さんだったのね?」
『…っ?あ、あ、あの人は、ただの幼馴染です!』
いきなり銀時の名が上がると思わなかった。
「やだ、私ったらまた間違えて……ごめんなさいね。
あの時、土方さんとAを見た時、一瞬お似合いだなって思ったの。
そしたら色々と、どう話を切り出そうかって悩んでたら、かける言葉も見つからなくて…、結局、目の前で倒れてしまって…」
…って事はミツバがこの間が倒れたのは、
私がミツバにショックを与えたせいになるの?
『……何か色々ごめんなさい…』
「いえ、私の方こそ…。先走ってしまったわね。
それに彼に対する思いは閉まっておこうと決めてるの…。
彼の重りになりたくないから…。だから結婚して幸せにならなきゃね。」
『……ミツバ…。一度しか言わない…
ちゃんと、自分に素直になって。
…まだ気持ちを伝えられる時間が貴方にはあるんだから。』
「………ありがとう、A。」
…………
その後、ミツバを無事に病院に送り、私は屯所へと戻った。
ミツバには後悔はさせたくないが、私が二人の仲に首を突っ込むのはどうかと思う……。
が、ミツバがあの時私に言った言葉…
「……貴方に任せられます……土方さんの事。
どうか彼を幸せにして下さい。」
彼女は今でも土方さんを想っている。
それを押し殺してまで、私に託そうとした。
誰にも渡したくない筈なのに、
残り短い命、相手を心配させたくない、歩む道の邪魔になりたくないと、
誰かと籍を入れて幸せになった姿を見せて、想いを手放す。
どれ程、勇気がいる事だったことか…。
『そんな顔するくらいなら、私に無理して言わなくて良かったのに…。』
ミツバの泣き出しそうな顔が頭から離れない。
『………久しぶりに鍛えようかしら。』
気分転換に稽古場へと
足を運べば先客がいるのか、竹刀がぶつかる音が聞こえる。
それもその筈、
あの土方さんと沖田君が刀を通して
語り合っていたのだから。
荒々しい刀が交わる音、
明らかに心に迷いがある証拠。
『……また出直そう。』
彼らにはゆっくりと話す時間が必要らしい。
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綾葉メグ(プロフ) - ミイラさん» 読んでくれありがとうございます!そう言ってもらえて書いて良かったなと思います! (2020年4月1日 1時) (レス) id: 937ad8ad2e (このIDを非表示/違反報告)
ミイラ(プロフ) - とっっても面白いです! (2020年3月28日 2時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
綾葉メグ(プロフ) - 読んで下さりありがとうございます!そう言ってくれると心の励みなります! (2019年12月12日 23時) (レス) id: 2cd78e4a1d (このIDを非表示/違反報告)
梨央(プロフ) - とても面白いです!これからも頑張ってください!! (2019年12月12日 22時) (レス) id: 5659f84446 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綾葉メグ | 作成日時:2019年11月25日 18時