60. なりたい ページ26
「楽しかった!こんなに女の子と遊んだの初めて!」
『……私も、楽しかった。
ミツバの強引な頼みとはいえ、結構楽しい時間を過ごせたと思う。』
「私…総ちゃんや近藤さん達と過ごす事が多かったから、こうして同い年の娘と遊ぶのがちょっと夢だったの。」
確か沖田君の家は両親が早く亡くなり、
姉の二人だけで暮らしてるって聞いた事があった。
姉としてあまり我儘を言える立場じゃないからこんなにも大人いた性格なっていたんだ…
「私の我儘聞いてくれてありがとうございます。これでもう心残り無くすむわ。」
私は言葉も出なく、ただ微笑むミツバの横顔を見ていた。
『…まだ心残りならあるんじゃないの?
………このまま土方さんに思いを告げずに、ミツバは他と結婚…するの?』
「………っ?!…、そんなに顔に出てたかしら…」
ミツバが土方さんに対する目線が好意の目だと感じていた。
「……彼は…いえ、男の人って悪戯じみた事ばかり考えたり、男同士でいる方が楽しそうで、
結局女の子の入る余地なんて無いもの。」
私も男の子ばかりの環境に育ったから、ミツバの気持ちはよく分かる。
「私一回ね、連れて行って言ったんだけど、
てめぇの事知るかって言われちゃった。
だからAの事少し羨ましいな。
剣術も使えて、医学の知識がある。何よりあの人達の役に立ってる。
私にはあの人達の背中を見守る事しか出来ないから…。」
ミツバはどれくらい我慢したのだろう…。
…誰よりも幸せになってほしい…。
土方さんがミツバを突き放したのは、彼が歩む修羅の道に巻き込まない為。
今なら銀時が私を戦争前に突き放した言葉が分かるような気がした。
「……ミツバは強いよ。
信じて待つって事は、精神的に強くないと誰も出来ない事。
私は誰かを信じてじっと待つ事が出来なかったから…。」
剣術を習った自分よりも、彼女の信念の方がずっと強い。
私にはミツバが、まるで向日葵のように、見る人の心を暖かく包む様なそんな風に見えた。
「それにミツバは役にたってるよ。彼等の進む目的の先にはきっと、ミツバもいる。彼等の進むべき光として彼等を支えてるよ。」
と横目でミツバを見たら、その頬には涙が流れていた。私はびっくりして直ぐに手巾を取り出し差し出すけど、
「……貴方に任せられます……土方さんの事。
どうか彼を幸せにして下さい。」
『……えっ…?!』
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綾葉メグ(プロフ) - ミイラさん» 読んでくれありがとうございます!そう言ってもらえて書いて良かったなと思います! (2020年4月1日 1時) (レス) id: 937ad8ad2e (このIDを非表示/違反報告)
ミイラ(プロフ) - とっっても面白いです! (2020年3月28日 2時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
綾葉メグ(プロフ) - 読んで下さりありがとうございます!そう言ってくれると心の励みなります! (2019年12月12日 23時) (レス) id: 2cd78e4a1d (このIDを非表示/違反報告)
梨央(プロフ) - とても面白いです!これからも頑張ってください!! (2019年12月12日 22時) (レス) id: 5659f84446 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綾葉メグ | 作成日時:2019年11月25日 18時