57. 暗くても ページ23
『…………あの、…副長？』
「……あぁ、…悪ぃ。上の空だった。」
何かあったんだろうか、
さっきの沖田君の言葉に明らかに動揺している土方さん。
会わせないって言われた時の土方さんの顔は少し傷付いた表情をしていた。
何度も話しかけてもただ上の空。
これじゃあ、…見廻りどころじゃないんじゃ…。
「……っ？ちょ、楠本！？」
『……黙って付いてきて下さい！』
彼を連れ出し来たのは、
「ほぉ、上司の前で堂々とサボりとは、」
と青筋をピクピクさせながら
刀を抜く土方さん。
私が連れて来た場所は、
沖田君に前連れて行って貰った甘味処。
『先程まで上の空だった上司に言われたくないです。
それに、甘味をとって気持ちをリセットしてみては？そんな状態で襲い掛かられてしまっては真選組の名が廃ります。』
「…言ってくれるじゃねぇか。」
三色団子を注文し、土方さんの隣に座る。
茶を啜る土方さんはやっぱり、…何かぼっーとしている。
『……行かなくて良いんですか？
先程の話、副長にとって大切な人なんでしょう？』
「…俺に関係ねぇ話だ。それよりもこないだ話した事覚えてるよな？」
最近江戸に不審な船が目撃され、裏で武器や薬の違法密輸をしてると言う噂。
薬が絡むとかなり大事で、真選組にとってはこれを見逃すには行かない。
「山崎には偵察に行ってもらってる、後で合流するぞ。」
彼はタバコを取り出し吸おうとしたが、
私がいる事に気付き、咄嗟に吸うのを止める。
吸えなかったことで、ますます落ち着きが無いようにも見える。
『…土方さん。何があったのか知りませんが…、
後悔だけはしないで下さいね。』
「……余計な世話だ。」
その間は二人で見廻りをするものの、
沈黙続きな空気だ。
山崎さんと合流したのは夕暮れ時、
パトカーに乗り、屯所に戻る前に一回り見廻って帰ろうとした時だった、
「副長、あれって揉めてるんですかね？」
『一応、確認しましょう。』
「山崎、車を止めろ。」
夜だと言うのに、少し薄暗い路地に立たずむ二人の影。
「おい、てめぇらこんな時間に何……、っ！」
車を止め降りれば、
そこには見慣れた顔が一人。
と誰かに似た女性が一人。
『…銀時…？』
「…Aか…？」
と言葉を喋ろうとした瞬間、
「十…四郎…さん？」
女性の方は土方さんを見て
突然咳込み倒れてしまった。
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綾葉メグ(プロフ) - ミイラさん» 読んでくれありがとうございます！そう言ってもらえて書いて良かったなと思います！ (2020年4月1日 1時) (
レス) id: 937ad8ad2e (このIDを非表示/違反報告)
ミイラ(プロフ) - とっっても面白いです！ (2020年3月28日 2時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
綾葉メグ(プロフ) - 読んで下さりありがとうございます！そう言ってくれると心の励みなります！ (2019年12月12日 23時) (レス) id: 2cd78e4a1d (このIDを非表示/違反報告)
梨央(プロフ) - とても面白いです！これからも頑張ってください！！ (2019年12月12日 22時) (レス) id: 5659f84446 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾葉メグ | 作成日時：2019年11月25日 18時
