56. 過去が ページ22
「はい、お大事に！」
暇さえあれば街の人に診察をしている私、
この前の活躍でかなり、診てくる人や天人が多くなった。
「姉御、見廻りの時間ですぜ。隊服に着替えて下せェ。」
隊服は初めて着ることになるな…。吉原の件は事情で着れなかったから。
一旦、屯所に戻り、渡された隊服に着替えた。
「終わりましたかィ？」
『………、下ってズボンじゃないの？』
「ありゃぁ、とっつぁんの趣味ですねィ。とりあえず着て見て下せェ。」
隊服は土方さんと同じ様なスカーフのついた幹部服。下はペンシルショーツスカート。
この人生を歩んできて、生足を見せた事は無い。ブーツはあるけど、足首位の長さ。
暗めのストッキングを選び、肌の露出を抑える。
「……破壊的ですねィ…。」
『……やっぱり…、スカートは余り履いた事はありませんから…。』
殆んど着物や女性袴で過ごしていたし、
男装していた時もあったから、これを履く機会なんて無かった。
不安げに沖田君と屯所を出ると、
パトカーに乗った近藤さんと土方さんがやって来る。
一応、上司なのでしゃきっと敬礼をする。
すると二人は私の顔を見るなり、何故かびっくりする様に顔を赤くしてなにか言いたげな顔をする。
「言いたい事、分かりますぜィ。これはとっつぁんの趣味ですぜィ。」
「……とぉつあんの野郎…」
「いくら何でもこれは…。」
「「「(他の意味でヤベェだろ…！！」」」
何故か三人共フリーズしてる。
不審に思い、声をかけてみた。
『やっぱり、…着替えます。』
「いや、…そうじゃ無いんだ！楠本先生！！似合ってます！！度を超えて！」
必死に弁護する近藤さん、お世辞で言ってるのも分かってるから何かと申し訳なくなってくる。
『あの、やっぱり、着替えます。ズボンとかあれば…私もスカートに余り慣れなくて…。』
でも、…サイズ合わないから駄目なんじゃ…
「総悟、俺が変わりに楠本と見廻りに行く。
これで心配ねぇだろ、近藤さん。」
「っ…。あぁ、…それは頼もしいが、トシ、確か今日は…」
と何かと言いたそうな近藤さん。あわあわしていると沖田君が遮る様に喋りかけた。
「……近藤さん、放って行きやしょう。
あの土方さんが自ら見廻りに行きたいって言ったんですぜ？
それに、…会わせるつもりなんてありませんから。」
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綾葉メグ(プロフ) - ミイラさん» 読んでくれありがとうございます！そう言ってもらえて書いて良かったなと思います！ (2020年4月1日 1時) (
レス) id: 937ad8ad2e (このIDを非表示/違反報告)
ミイラ(プロフ) - とっっても面白いです！ (2020年3月28日 2時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
綾葉メグ(プロフ) - 読んで下さりありがとうございます！そう言ってくれると心の励みなります！ (2019年12月12日 23時) (レス) id: 2cd78e4a1d (このIDを非表示/違反報告)
梨央(プロフ) - とても面白いです！これからも頑張ってください！！ (2019年12月12日 22時) (レス) id: 5659f84446 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾葉メグ | 作成日時：2019年11月25日 18時
