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49. 過去編回想11: 戦場の彼岸花 ページ13

光徳の代わりに戦争に出た私。
流石の三人も男装してまで参加する事は予測して無かった。




銀時からはただ一言。




「…剣を手放すな。死ぬんじゃねーぞ。」




晋助や小太郎は私を叱っても懲りない事を分かっていたから、何も言わず私の参戦を認めた。




寺小屋の皆は勿論、私が女である事を秘密にして貰った。幸い、敵にはバレなかったのだが、
同盟になった坂本辰馬には一発で見抜かれた。



……
…………




戦場は想像を絶する程のものだった。
まさにここが地獄なのかと思う程の。




血生臭さい荒れ地、遠くに聞こえる悲痛な叫び声、肉を斬る音。




誰の血か分からない程の染まった自分の服、刀、そして顔。




数え切れない程斬り倒した天人に、後ろには仲間の屍が。




『…………っ…!!…こんなに…』





日に日に仲間が減ってゆく。日に日に仲間の屍が増えてゆく。




そんな空間にいると身も心も病んで来る。
きっと銀時達だってそう…。





それが私達が自ら飛び出した世界。





「……Aさん……。」


 

『……っ!大丈夫、もう敵を打った。死ぬな…!』





斬られた仲間が虫の息になりながらも話しかける。安心したのもつかの間。





「……早く……殺して…楽にさせて下さい……。」





『……な、なんて事言ってはるん?!また間に合う…』





敵に浅く斬られたが、致命傷。
じわじわ痛みに蝕まわれてる彼は自分が助からないと分かっていた。





陣地には遠く、このままじゃ……





「……早く…!!大丈夫…、俺は貴方を恨みません……俺の……最後の願いです。」





『……っ、ごめん…。次は平和な時代に生まれますように……。』





彼の望み通り、トドメを刺した。




…………


敵が引き下がった頃、
私は仲間の墓を見つめていた。





そんな私を見た敵の言葉、
そこから始まったその異名。





仲間の死骸を庇うように敵を睨みつけたその姿から






“墓場の屍を守る様に咲く彼岸花だ”と





だから【戦場の彼岸花】
屍の上に咲いた場違いの花と言う意味で、
私はその異名と言う枷をはめられた。

50. 過去編回想12: 救護隊→←48. 誰も



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設定タグ:銀魂 , 攘夷組 , 真選組   
作品ジャンル:アニメ
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綾葉メグ(プロフ) - ミイラさん» 読んでくれありがとうございます!そう言ってもらえて書いて良かったなと思います! (2020年4月1日 1時) (レス) id: 937ad8ad2e (このIDを非表示/違反報告)
ミイラ(プロフ) - とっっても面白いです! (2020年3月28日 2時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
綾葉メグ(プロフ) - 読んで下さりありがとうございます!そう言ってくれると心の励みなります! (2019年12月12日 23時) (レス) id: 2cd78e4a1d (このIDを非表示/違反報告)
梨央(プロフ) - とても面白いです!これからも頑張ってください!! (2019年12月12日 22時) (レス) id: 5659f84446 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:綾葉メグ | 作成日時:2019年11月25日 18時

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