37. 私は ページ1
「副長はすぐ先に居ます。あの…、本当にごめんなさい…。聞いてしまって。」
山崎さんの案内で副長が居る近くのファミレスへ。
副長は山崎さんの報告を待っているのか、イライラしながら貧乏ゆすりが止まることは無い。
あと、コーヒーにかけるマヨネーズもハンパない…。
「…ありがとう、山崎さん。これも届けて下さって。」
「いえ、副長の私物ですけどね。上手く伝わる事を祈ってます。」
と山崎さんに渡された物を持ち、声変わりの薬も飲んで、土方さんが待っているテーブルへと近付いた。
因みに声は彼の知り合いに似てるという、ハタ皇子の声です。
『土方さん。お久しぶりです。』
「……、おた子さん…？久しぶりだな。愚痴る相手が居なくてよ。丁度話す事がたっぷりあんだ。」
届けてもらったのはおたふく面。私はそれを付けて、副長の目の前に現れたのだ。
『聞きますよ。貴方の愚痴。』
彼の話を聞くとやはり私の話だった。
どう切り出そうか…。
「あいつは何か俺達に言えない事があるのか、それとも俺達はあいつにとって頼り無いのか…。」
『…、どうして気になさるのですか？元はと言えば赤の他人じゃないですか。
気に要らないのなら、切り捨てれば良い。
なのにどうして貴方は…』
すると彼はコーヒーを一杯啜ると、
呆れたように話始める。
「あいつ、上辺ではニコニコ笑って事をこなすけど、全部背負ってる感じがした。
かつての俺と似た、自己犠牲の激しい奴。
だから、知りたかった。
確かに身分とかすっげー気になる所だがな。」
『そうですか…。』
副長は私が真選組で無理してるんじゃないかと思っていたんだ。
命を救う医者が、真選組で悪党の命を奪う。
全く正反対な仕事。
彼は私がそれなりに打ち明けられない理由は、男ばかりいる場所にいるせいなのか、とか色々と考えてくれていた。
かつての仲間の事ばかり考えてばかりいたから、今居る彼等と向き会えていなかったんだ。
私も彼らと同じ真選組の隊員でありながら…。
『今度は私が貴方に向き合う番ですね。』
「おた子さん、一体何を？」
『土方さん。次は私のちょっとした世間話。聞いてくれますか？
そうですね……ある女性の事を……。』
私の古臭い昔の話をしましょうか。
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綾葉メグ(プロフ) - ミイラさん» 読んでくれありがとうございます！そう言ってもらえて書いて良かったなと思います！ (2020年4月1日 1時) (
レス) id: 937ad8ad2e (このIDを非表示/違反報告)
ミイラ(プロフ) - とっっても面白いです！ (2020年3月28日 2時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
綾葉メグ(プロフ) - 読んで下さりありがとうございます！そう言ってくれると心の励みなります！ (2019年12月12日 23時) (レス) id: 2cd78e4a1d (このIDを非表示/違反報告)
梨央(プロフ) - とても面白いです！これからも頑張ってください！！ (2019年12月12日 22時) (レス) id: 5659f84446 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾葉メグ | 作成日時：2019年11月25日 18時
