【銀魂】紅華の女医

32. 覆す ページ43

他の部屋へと場所を移動され、
その挙げ句、手足には枷をはめられ動けない。


私の刀も取り上げられてしまったし、
神楽ちゃんの居場所も分からない。





「…これじゃあ、銀時に顔合わせが出来ない……。」




彼の大切な仲間を守れなかった。
昔と同じじゃない……。





「そこのお嬢さん…お困りの様だな。」



『…これらの原因は貴方にあるんですが…？』




天井から突然姿を現した小太郎。
良かった、無事で。


すると事情を飲んだのか、素早く私の枷を次々と外してゆく。





「何故ここにと聞きたい処だが、その様子だと、高杉に接触したみたいだな。」



『正確に言えば、神楽ちゃんと貴方を探しに乗り込んだ船が、たまたまあの人のって所です。』





晋助の勧誘にも断ったと付け足せば、
小太郎の表情は曇り、やはりな…とだけ。





「高杉といえどもお前には危害を加えないとは限らないが、兎に角、お前が無事で良かった。」



『そろそろ、本題に入りましょう。
貴方がこの船に乗り込んだのはただの偶然では無いのでしょう？』



「……本来ならお前らを巻き込みたく無かったが…」




話によれば辻斬りの似蔵って人と晋助は仲間で、妖刀紅桜を量産し、それを使って江戸を破滅に追い込もうとしてるらしい。





『鬼兵隊…、また再結成したのね…。』



「あいつはまだあの事を根に持ってるみたいだ。」





今でも私達の記憶から離れない過去の残像。
彼にはその残像があの左眼にこびり付いているのだろう…。




『…それにしても…小太郎。…髪、切ったんだ。勿体無い。』



「似蔵って奴、生死を確認せずに髪だけ持っていったのでな。髪なんてまた生えてくるさ。
イメチェンだ。」





小太郎が短髪って何か新鮮。
私が何も反応しないからか小太郎は不安になり、




「……やはり、似合わぬか…。えぇい、育毛剤で伸ばすしか…！！」



『カッコいいですよ、その髪。私とお揃いで短髪デビュー…なんちゃって。』



「…っ…！…た、たまには、短髪も悪くないな……ﾎﾞｿｯ」





銀時がどう反応するのか想像しただけで笑みが溢れる。すると小太郎は顔赤くし、何かブツブツ言い出す。私には聞き取れなかった。




「…止めに行くぞ、あいつを。あと、この刀離すんじゃないぞ。大切な物だろう。」




私の刀…いつの間に…、




『……馴染み(とも)を正せるのは、私達しか居ないでしょ？じゃ無いと先生に怒れる。』



「四人纏めて拳骨だな。」

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