【募集企画】とある最強の独立大隊。＜本編＞ (ページ36)

今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:7,151 hit

白夜叉という者　龍祁宗近ページ36

刀が振りかざされた。
悲鳴を上げる者。
龍祁は斬捨てる。背後から投げられた短剣を刀で弾き飛ばした。続々と龍祁に集う敵兵を全て切り伏せた。
敵兵が横から剣で刺そうとする。攻撃を流し転倒しかける腕に足を掛け背部に回り斬った。

真昼間、噴水が置かれている簡易広場で駆け抜けるように敵を切り伏せていた。
逃げ惑う民を背に全て斬捨てる。動作は美しく、型に定まった天然理心流派(てんねんりしんりゅは)であるにも関わらず次にどのような攻撃が来るのかを誰も予想できない。
独り無双していた。刀の付喪神である彼女に誰一人かすり傷も付けれず屍が一人、二人と積み重なる。

龍祁の全身は血の雨を浴びたかのように血煙がついていた。

「っクソ！早く、早く殺せぇ！何をグズグズしている！相手は神と言えどたかだか物に宿る付喪神！能力は持っていないのだぞ！」

敵兵幹部が神を冒涜した。
其れを合図かのように、息をひそめていた敵兵三人が巨大な羽を広げ龍祁に突っ込む。龍祁は勢いよく跳躍した。体を捻って二人の頭と胴体を蹴りつける。刀を奪い取り、二刀流という形でそのまま斬りつけた。回転技をかけながら着地。着地した時に、奪った刀を残りの敵兵に刺した。
そのまま駆け続け、己の道に立つ敵兵を全て叩き斬る。

微風が羽織をなびかせた。視界の隅で、爆風により黒煙が巻き上がる。龍祁の頬を返り血と共に乾いた葉が撫でた。

視界に幹部が映った時、振り落とされる袈裟斬りの剣。龍祁は風きりを起した斬撃を全て受け止める。鉄の嫌な音と共に火花が散った。
やがて隙を付き、腕を掴んで上に半回転した。背後に立つ。敵兵幹部は崩れ落ちた。

思わず後ずさる。目の前には圧倒的強者。彼等の中で恐れが爆発した。

「っお、おい……あいつ身体能力どうなってんだ……！？」
「嘘だろ……あの幹部でさえも手出しできねぇって……！」
「の、能力が効かねぇぞ……！おっ、おい、兵器を――」

斬捨てる。兵器を口にした男性は動かなくなった。

一種の戦闘狂である彼女は、ゆるりと口角を上げた。
彼女が立つ舞台は既に血池が広がる。右を見ても左を見ても死体があった。
無造作に死んだ敵兵の武器が地面に突き刺さる。
龍祁によって敵兵事斬捨てられた木が倒れていた。

「さあ、愛しき人の子。神の裁きを受けたき者はいるかな？」

引け腰になる敵兵だが、有無を言わず斬捨てられる。