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「Aちゃんって彼氏と長いの?」
横尾さんと話してると思ってたミツが突然話に入ってきた。
『そうだね、もうすぐ5年かな。』
「へぇ〜。結構長いね。
その間浮気とかしたことないの?」
『ないよー、ないない。しようと思ったこともないな。』
「ふ〜ん、そんな女の子もいるんだ。
...俺もそんな子と出会ってたらなんか違ったのかもな。」
『えっ?』
最後の方言葉は、すごく小さくて聞き取れなかった。
ミツを見てもどこか違うとこに想いを馳せてるみたいで、
私の聞き返しも耳に届いてないみたいだった。
「ふー!食った食った!腹ぱんぱんだわぁー。
Aちゃん家こっから近いの?
もー遅いし、送ってこーか?」
「あー、じゃあ俺送ってくわ。
食い過ぎたしちょっと歩きたいからさ。」
「じゃあニカ頼むわ。またね、Aちゃん!」
『あっ、うん、またね。おやすみ!』
振り返りながら片手を上げて歩いてくミツ。
「じゃあ行くか!」
ニカちゃんと2人きりもなんだかへんな感じ。
でも同い年ってわかってから、
ニカちゃんはホントに高校の同級生みたいなノリで。
呼び方も気づけば“ちゃん”が取れて呼び捨てにされてるし。
「やっぱまだまださみーな。早く春になんないかな。
あっ!春になったらみんなで花見とかどうよ?!」
『いいねー、楽しそう♪
じゃあ桜咲いたらニカちゃん計画してよ。』
「えーー。そこはミツに任せようぜ。
ミツなら桜のいいとこも知ってんじゃん?」
にひひって顔して、自分から言いだしたくせに、ミツ任せだし(笑)
『じゃあニカちゃん言っといてよ?』
「おっけー!」
そのままニカちゃんが前を向いたまま黙って歩くから、
私もなんとなく黙ったまま歩いてた。
「なぁっ!」
ニカちゃんがいきなり立ち止まって振り返るから、
ニカちゃんにぶつかりそうになった。
『なに?いきなり止まったらびっくりするじゃん!』
「ミツ...。」
『えっ?ミツ?』
「...ミツのこと...好きになんないで。」
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作者名:たまゆー | 作成日時:2017年2月11日 22時