ここにいたこと【４８】

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「仕方がないんだよ」
「誰のせいでもないんだよ」


きっと私がAの立場なら

なぜ自分が病気なのかって疑問にそう答えると思う。

だってそれが事実で、それしか運命を受け入れる方法がないと思ったから。



だけど、Aは答えを出すわけでもなく、私にただ

「ごめんなさい」

と言った。


それが何に対しての「ごめん」なのかはわからない。

Aの心の中のすべてを今の私に知ることはできないから…



でも、でも…


優「謝らないでよ…」


謝るってことは

何か自分に負い目を感じてるって証拠だから…


優「Aは、何も背負わなくていい。

　 Aの道をAなりに歩んでいけばいいだけだから！」


A「優ちゃん…」

優「でも、これだけは忘れないで…」


優「Aは一人じゃない。

　 病気だってなんだって一人で抱え込まなくていいんだよ。

　 Aは一生、チームKの一員だから。」


Aは困ったように笑いながら


「ありがとう」


と優しい声でそう言いながら頭を撫でてくれた


A「私ね、完全に夢を諦められるほど強い人間じゃないから…

　 だから、自分自身がアイドルにはなれなくても

　 AKB48の一番そばにいられるようにAKB48を支えられるように

　 スタッフとして働くことにしたの」


そう話すAの顔は穏やかだった


A「チームKのみんながね、初日満席で喜んだ時も

　 途中で心が折れそうになってるときも

　 ステージの後ろでずっと見てた。

　 笑顔も、泣き顔も、真剣な顔も、楽しそうな顔も…

　 かつては隣で当たり前のように見てたのに

　 どんな顔も、すっごくキラキラしててさ…

　 そんな17人の顔を見てるうちに

　 一つ一つ着実に力を付けていくチームKを見てるうちにさ、

　 私はスタッフだから、こんな想い抱いちゃいけないんだろうけど…


　 やっぱりチームKが最強だなって


　 思っちゃうんだ。」

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