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「ごめんね、星野ちゃん。
そらるさんにはまた言っておくから。」
校門を出て、少し行ったところにある公園で真冬くんに申し訳なさそうに謝られた。
「全然。仲良さそうで、羨ましいよ。」
「でも、僕と星野ちゃんも、仲良しでしょ?」
サラリと髪の毛を揺らし首を傾げる彼。
ドキッと胸がなってそれがバレたくなくて、
「そうだね」
となんでもなさそうに返した。
「付き合ってるの?だって。真冬くんは好きな人、いるの?」
誤魔化したくて言った言葉。直ぐに後悔した。
いると言われたら傷つくのは自分なのに。
「……いるよ」
サァッとタイミングよく風が吹いて、真冬くんの儚い表情とマッチした。
きゅう、と胸が傷んだ。下唇を噛んで感情をぐっと堪えた。
「星野ちゃんは、…いるの?」
おそるおそる聞いてくる真冬くん。
貴方だよ。なんて言えずに小さく、いる、と言った。
俯いてしまって表情は見えなかった。
好きな人、誰?
そんなことは聞けない。デリカシーがないし、何より、怖い。
「どんな人なの?」
聞けるのはせいぜいこんな事だった。
「綺麗で」
「可愛くて」
「話していて、心が安らぐんだ」
「…彼女も誰かに恋してるみたいだけど」
嗚呼、きれいだ。
自嘲気味に笑う貴方も、きれい。
そんなに辛い恋をしているのなら、私でいいじゃない。
「私の、好きな人も、」
「好きな人がいるんだって」
「お互い、辛い恋だね。」
「いっそのこと、私たち、付き合おうか」
酸素が足りなくて、頭が回らなくて、なんていうのは言い訳だけど、ポロリとそんな言葉が零れた。
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ありす(プロフ) - めっちゃ続き気になります…!受験生…なんですよね?頑張ってください〜! (2021年1月15日 21時) (レス) id: 6ef7d3ce1d (このIDを非表示/違反報告)
夜空野星(プロフ) - ぽんさん» 確認不足でした。すみません。ご指摘ありがとうございました。 (2020年11月22日 20時) (レス) id: e78fdf0d38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜空野星 | 作成日時:2020年11月22日 19時