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「そ、そうですよっ!Aちゃんを辞めさせて得た成功なんて、僕も欲しくないです!」
「こ、こうちゃん…」
「あんな靴擦れするくらい頑張ってくれた後輩を今更切り捨てれませんよ」
「川上、さん…」
こうちゃんや川上さん以外の方々も辞めさせないと口々に言ってくれて、あぁやっぱり、ここに来て良かったなと改めて思わされる
流石に全員から条件はのまないと言われるとこれ以上押す気にもならなかったのだろう。呆れた重々しいため息を吐いた後に、お父さんは私を一瞥してオフィスを出ていった
そのすれ違いで入ってきたファルコンさんの「え、さっきの誰?」という質問には、私が答える前に福良さんが色々説明してくれて、心の中で、あ、そこちょっと台詞違う…とか、口に出したら絶対うざがられそうな事を思ってしまう。こういう時のこの能力はほんとに必要なかった
「よーし、じゃあ早速会場確保の件頑張りますかー」
完全に存在を忘れていたずっと肩に添えられていた伊沢さんの手が離され、代わりにポンッと気合いを入れるように背中を軽く叩かれる
そうだ、私が辞めないということはまだ会場の確保をしなければならないという問題は消えていない
タイムリミットは着々と近づいてきている。なんとかして、皆で成功させなければ
それぞれのデスクに戻っていく背中を見ながら、再度自分に渇を入れるという意味で頬を叩く
折角残してもらったんだ。絶対に、役に立たないと
「あ、Aちゃん。ちょいちょい」
「は、はいっ」
デスクに向かおうとしたところで背後に居た伊沢さんに声を掛けられ、手招きされるまま彼の方に歩み寄る
そっと肩に手を添えて耳許に顔を近づけた彼は、きっと私以外の人には聞き取れないであろう声量で、そっとささいた
「足怪我してんだから、無理すんなよ」
最後にふっと微笑むと、耳許から顔が離れる。その時の伊沢さんの笑顔は本当にかっこよくて、すれ違い間際に撫でられた頭は何故かすごく熱い気がして、流石に鈍感な自分でも分かった
…もしかしなくても私、伊沢さんに、惚れてしまったのかもしれない
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白菜(プロフ) - しぃさん» いえいえ!ご希望に添えたなら良かったです! 今回は話数が限られていたので、初めて直接うらツク内に書かせていただいたので少々展開等が変になっているかもしれませんが、そこも愛嬌ということにしておいてくださると嬉しいです(笑)リクエストありがとうございました (2020年2月2日 0時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
しぃ(プロフ) - 白菜さん» ごめんなさい!完結後にもかかわらずリクエストしてしまって…でも最高でした!もう推しのにやにや顔を想像して昇天しそうでした← (2020年2月1日 22時) (レス) id: 1457e73937 (このIDを非表示/違反報告)
しぃ(プロフ) - 白菜さん» そうですね。以後気を付けます! (2020年1月27日 22時) (レス) id: 1457e73937 (このIDを非表示/違反報告)
まつりか(プロフ) - 白菜さん» 神ですよー!にしても少し回復したようで良かったです!私含め皆さんが白菜さんの事気にかけていたので、コメントを見てもっともっと元気を出して貰えたらと思います! (2020年1月27日 21時) (レス) id: e802cc95c8 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - しぃさん» ありがとうございます!リクエストの方ですが、あと二話ほどなら入るので短くはなりますがなんとか書いてみます!そして細かいかもしれませんが、次回からはお名前をsngwというように伏せていただけると助かります(笑) (2020年1月27日 21時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
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