第二十話 師匠は格好良かった ページ22
『私…この呼吸は自分に合ってないな、って思ったの』
『違和感を感じたのは3週間前…』
____________。
『…全集中!桜の呼吸!壱の舞!桜剣舞っ!』
その日は桜の呼吸を初めて習得できた日だった
苺くんも山ランニングに出かけていたので一人で、ずっと鍛錬をしていたらできるようになったのだ
『やっ…た!』
師匠にこの事を報告しようと思い、一歩踏み出した時だった
急に来る脱力感
足に力が全く入らなかった
『……なに…これ』
結局、まともに動けるよになったのはそれから三十分後の事だった
私はその日から走る距離を増やすことにした
体力が増えれば前みたいになることはないと思っていたから
でも…
『なんで…動けないの…?』
何をしても動けるようにはならなかった
桜の呼吸を使った後の急な脱力感は避けられないと私は実感した
桜の呼吸は、自分に合ってないのだと
_____________。
「ふーん、そんなことがあったんや…」
うんうん、と頷く師匠をジト目で睨みつけた
『他人事じゃん…』
「…ん?他人事じゃないで?
可愛い弟子の悩みは、俺にとっての悩みでもある!
俺とAで悩みは半分こや!」
そう言うと師匠はいつもの顔で笑った
『………そっか』
着物の裾で自然に微笑んでしまった口元を隠し、縁側に寝そべる
『師匠は…そういう人だったね…』
この一ヶ月でわかってきた
師匠は…
酒好きで
いつも二日酔いで頭を痛めてるけど
頼りになるときは頼りになるし
時々笑顔で格好いい言葉を言うし
無自覚で人を励ますんだ
『あなたが師匠で良かった…』
ボソッと呟くように言うと師匠は聞こえなかったようで
「なんか言ったか?」
と言った
『ううん…何にも!』
それから私たちは朝までどうするかを話し合った
そして私は
この屋敷を出て、違う所に行き他の呼吸を学ぶことになった
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金平糖兎(プロフ) - 紅華さん» 了解しました!納得いかなかったので、ここはもう一回書き直しますね (2019年8月4日 12時) (レス) id: 271afb9c67 (このIDを非表示/違反報告)
紅華(プロフ) - 師匠を観察してみたのところなんですけど画像が見えません。改善していただけませんか? (2019年7月26日 13時) (レス) id: b5a3a3f5a1 (このIDを非表示/違反報告)
とある者 - あの狐さんははなむぐりさんが描いたものです。自作発言ととられかねないので名前は入れましょう。下手したら本当に起こられてしまいます。それとは別に応援してるので頑張ってください (2019年7月24日 16時) (レス) id: 78dce90340 (このIDを非表示/違反報告)
布袋尊(プロフ) - おう! (2019年7月23日 23時) (レス) id: 4e763fa650 (このIDを非表示/違反報告)
金平糖兎(プロフ) - ありがとう!がんばります!・ω・ (2019年7月23日 22時) (レス) id: 5fd05a29f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:金平糖兎 x他1人 | 作成日時:2019年6月15日 18時