第92話：町の活気 ページ11
ﾕﾝ「え、役人を蹴って殴った!?」
ﾊｸ「まあな。蹴ったのはもう一人の通りすがりだけど。」
ああ…
それで昨日は食べ物買えなかったのか…。
ﾕﾝ「そんな目立つ事してたの。雷獣。」
ﾊｸ「くれぐれも気をつけたさ。」
ﾕﾝ「へー。…この辺の役人白昼堂々、そんな馬鹿な真似を?」
女の人「はい…。店で暴れたり、目をつけた女を連れ去ったり。
私達はなるべく、役人の怒りを買わないように生活するしかないんです。」
ﾖﾅ「どうして?」
ﾊｸ「ヤン･クムジか。」
ﾕﾝ「クムジ?」
ﾊｸ「この阿波一帯の漁師だと聞いた。
町の連中は皆、そいつにおびえてるんだと。」
ハク詳しいな。
女の人「はい。役人は全てクムジの息にかかってるんです。
私達は商売の許可を得るかわりに、
不当に高い税をクムジに収めているんです。
この町には不穏な噂も流れているんですがどうする事もできません。」
ﾖﾅ「通りで町の人に元気がないはずだわ。」
え、ヨナ…気付いてたの?
ｷｼﾞｬ「そうなんですか?私は賑やかな町だと思いましたが。」
ﾖﾅ「賑やかに見えるけど、笑顔がどこか嘘っぽい気がした。」
貴「成長してるんじゃない、貴方のお姫サマ。」
ﾊｸ「…」
ﾕﾝ「海賊は?近くの海岸に、それっぽい船がたまってるんだ。」
女の人「いえ。あの人達が村の人に危害を加えた事はありません。」
ﾕﾝ「え、そうなの?」
女の人「確かに船を襲ったりもするのですが、
彼らが襲うのは、ヤン･クムジの船です。」
あの海岸にいた船…。
あそこから、何か感じる…。
…もしかして、…緑龍?
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作者名：琉風 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/adfsi/
作成日時：2015年8月12日 12時
