第39話：もらい泣き ページ16
ﾕﾝ「だから…その……。思いっきり泣きなよ…。」
貴「えっ…でｍ…」
私はユンに抱きしめられた。
すると自然に涙がこみ上げてきた。
貴「ｳｳｯ…」
ﾕﾝ「……。」
貴「私っ…兄様に裏切られて…サンサも兄様に殺されてっ…」
ﾕﾝ「うん。」
貴「もう、どうすればいいのかわかんなくなって…っ」
ﾕﾝ「……それで?」
貴「私の従者もみんな兄様についてっ…城の兵もみんなっ…
みんな私の敵になっちゃって…!
でも…イルギだけは味方してくれて…。」
そう…全員兄様に従っても…イルギだけは味方してくれた…。
貴「イルギもね、俺を頼れって言ってくれたの…。
でも…イルギ、無理してたから…っ」
ﾕﾝ「無理って?」
貴「怪我してた…。私が気付かない間に兵にやられててっ…」
ﾕﾝ「…だからイルギに負担をかけないため…?」
貴「うん…。もうこれ以上イルギには迷惑をかけられないって思って…。」
ﾕﾝ「そっか…。」
ユンは私の肩にまわしていた手を解き、
今度は私の手を握った。
ﾕﾝ「……もう一人で抱え込まなくていいから…。
泣きたい時は泣いていいんだから。」
ユンの手に力がこもった。
貴「ありがとう。」
ﾕﾝ「……っ」
貴「え…?」
ユン…、泣いてる…?
貴「ユン、どうしｔ…」
ﾕﾝ「うるさい!も、もらい泣きだし…っ」
……
貴「ﾌﾌｯ」
ﾕﾝ「な、何だよ!」
貴「ううん、可愛いなーって。」
ﾕﾝ「なっ…///(俺なんかよりAのほうが…)」
照れてる…。
貴「ユン、ほんとありがとう…何かスッキリした。」
するとユンはにっこりと笑った。
私はもう一度ユンに抱きついた。
ﾕﾝ「A!?///」
貴「ユン、大好き。」
ﾕﾝ「(……どこの口が言ってんだか、ばーか。
恋愛の対象として俺を見てないくせに…。)
ありが…とう。俺も、
・・・・・
友達として好き。」
……今友達として、って強調した…?
ま、いっか。
貴「ﾌﾌｯ じゃあ戻ろっ!」
ﾕﾝ「ああ。」
ﾕﾝ「好きなんて軽く言うなよ…//」
ユンが顔を真っ赤にしながら呟いたのを、私は知らない。
第40話：変だ＊ｲﾙｷﾞSIDE→←第38話：抱え込みすぎ？
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作者名：琥珀 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/adfsi/
作成日時：2015年4月6日 9時
