距離の縮め方 ページ33
思った以上に盛り上がってしまい、早々に終らせる予定が2時間以上もレースをしていた。通話繋いでやるマリカってこんなに楽しかったんだ。いや裏で咲ちゃんとやったことはあったけど。
笑いすぎてお腹痛い。今日は凄く楽しかった。
不破「Aちゃん、ガチ強い!まじでなんでマリカ杯でなかったん?」
「人見知りだから…待機画面で仕込み芸とか出来ないし」
イブ「あー、アレね」
コメント欄も「面白かった」「またやってくれ」と高評価な文字が並んでいる。チャレンジしてみてよかった。
「まぁとりあえずね、来年からはもう少しコラボも頑張る予定なので。お二人にもまたお付き合いいただけたら幸いです」
不破「もちろん、全然いつでも暇なんで」
イブ「まぁ、行ってやらないこともない」
「イブラヒムさん、なんでそんな上からなの」
笑いながらツッコミを入れると、イブラヒムさんが「あー」と何か悩ましげな声を出す。
イブ「呼び方、なんとかならん?」
不破「えっ俺も!ってか、なんなら俺もタメ口にして!」
二人からの提案に、嬉しい反面不安が過る。不破さんとこれ以上距離を縮めていいのだろうか。彼は私の体質にかなり影響受けているし、よろしくないのでは…?
「えっと…燃えそうなので、ちょっと…」
イブ「いやそのくらいで燃えんって。俺らとっくに名前で呼んでんのに」
確かに今日、不破さんとも友達として仲良くなれた気がする。この感覚を信じて、どこかで裏切られたりしないだろうか。でも不破さんは唯華とも葛葉とも友達だし、信用しないのも失礼か。
「じゃあ、イブくんと不破くんで…」
二人の嬉しそうな顔を見て安堵する。今日、コラボして本当によかった。
配信を閉じて防音室を出ると、リビングのソファで葛葉が横になっていた。
「来てたの?」
葛葉「ん」
両手を広げる葛葉の胸に躊躇いなく飛び込む。昔は折れそうとか思ってたけど、意外と丈夫なんだよね。
葛葉は私を抱き締めたまま、手をニギニギする。だんだん、左手の薬指にはまった指輪を執拗に確認していることに気付いた。
「もしかして葛葉、ヤキモチ妬いてる?」
首もとで葛葉の頭が縦に動くのを感じる。自分だって女の子とコラボする癖に、という言葉を飲み込んで強く手を握り返した。
「心配しなくても、私は葛葉と唯華のものだよ」
葛葉「今の流れ、椎名いらなかっただろ」
葛葉の不満げな声に思わず笑ってしまった。
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よもぎもち(プロフ) - めめさん» ありがとうございます!大変モチベーションになります!!続きも頑張りますね! (2月12日 18時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
めめ - めっちゃ好きですこの話!!続き楽しみにしてます!更新頑張ってください! (2月12日 17時) (レス) id: a85ab24ed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎもち | 作成日時:2023年11月13日 19時