優しい人になりたくて ページ24
ロレ「A先輩」
「…苗字で呼ばれるの好きじゃないから、名前で呼んで」
ロレ「マ?じゃあA先輩!」
なんだろう、ローレンに犬の耳と尻尾が見える。全く心当たりがないが、どうやら偉く懐かれたらしい。なんだ、どういうことだ?
ロレ「A先輩、さっきのハンカチ洗って返しますよ」
「あぁ、いいよ。あれは血とか拭くようだから」
そう言いながら書類から顔を上げると、ローレンくんが目を丸くしていた。ヤバイ、喧嘩慣れしてると思われる。いやもう出会いの時点で思われてるかもしれないが。
「えっと、小さい「弟」がいて、転ぶから…」
イブ「苦しくない?その言い訳」
「ホントだし…」
いやまぁ、半分は本当で半分は誤魔化しだから、嘘はついていないってレベルだが。
緑仙「っていうか、なんで皆きてんの?生徒会室ってそんな気軽に遊びにきていいとこじゃないんだけど」
暇だからって理由で遊びにきていた緑がなんか言ってる。四人は「すいませぇーん」と棒読みの謝罪をして、ダラダラ崩した姿勢を直さない。なんだこのツッコミどころが多すぎる会話は。
叶「…まあ、今日は休日だし特別ね。どうせ外に放り出すとどっかで喧嘩してくるんだろうし。特にローレン」
ロレ「その言い草はなんかじゃない?」
叶先輩は中学時代のローレンくんを知っているらしく、大変親しいらしい。可愛がっているんだろうな、というのが見てとれる。…そんなことはどうでもよくて。
「叶先輩。仕事ください」
叶「手元に書類あるじゃない」
「急ぎのものは全部終わりました。こんな休日まで生徒会室に居座って、私達がこなかったら一人で仕事するつもりだったんでしょ。手伝いますから」
叶先輩は抱え込み過ぎるところがあるので、心配なのだ。いや授業サボって生徒会室にいるくらいだから、ただここが好きというのもあるだろうが。
叶「生徒会をブラックだって言ってたAが、そんな積極的に仕事してくれるなんて、僕は嬉しいよ」
なんて泣き真似をしながら言う先輩を無視して、机の書類をいくつか奪う。
「任命されたからには責任は持ちます」
叶「…優等生だねぇ」
「なんか含みある言い方ですね」
そういうと叶先輩は「そんなことないよ、ありがとう」と微笑んで私の頭を撫でた。こういうのをサラッと誰にでも出来るからモテるんだろうな、この人。
面倒見がよくて、仕事も出来て、優しい人。
だけど「そうならなくちゃ」と思ってる気がして、少し杞憂してしまう。
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よもぎもち(プロフ) - の〜さん(旧もこ)さん» コメントありがとうございます!恋愛に発展するように頑張ってみますね! (11月11日 11時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん(旧もこ)(プロフ) - コメント失礼します。私2j3jの人達全員推しなのと愛され大好物なので嬉しいです!出来たら全員に恋愛的に愛されたいです。無理ならすみません。更新頑張ってください!楽しみにしてます! (11月11日 10時) (レス) @page2 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - きささん» リクエストありがとうございます!fwさんですね、かしこまりました! (7月17日 21時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
きさ - よもぎもちさん» 返信ありがとうございます。リクエストなんですけど、fwさんとの絡みがみたいです‼ (7月17日 21時) (レス) @page23 id: 9659c34de0 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - きささん» コメントありがとうございます!!めちゃくちゃモチベになります!!楽しんでもらえるよう、頑張って続き書きますね! (7月17日 11時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎもち | 作成日時:2023年7月12日 15時