きみにとっての優しさって何? ページ25
「優等生」を目指す私にとって、叶先輩は一番の理解者だ。実際そうだし、本人もそうあろうとしてくれているのを感じる。
…だからこそ、鬼畜な仕事量を振られたりもするけど。
「優等生」にならなければ、そう思っている私を支えてくれる叶先輩も、もしかしたら「優しい人」にならなければ、と思っているのではないだろうか。もしかして、私や周囲が彼にそうさせている?
そんなことを考えていると、席を外していた叶先輩が戻ってきて私の前にペットボトルを置いた。
叶「大丈夫?難しい顔してたけど、無理させてない?」
「一時期に比べたら大した量じゃないんで大丈夫です」
叶先輩からの差し入れを、礼を述べて受けとる。無糖のミルクティー。私が最近ハマって飲んでいるやつだ。
「叶先輩って、本当によく見てますよね」
叶「そう?」
「はい。優しいなぁと思って」
意趣返しのつもりはないが、少し含みのある言い方になってしまった。先程私に「優等生」と言った叶先輩も、同じように何か考えていたのだろうか。
思案していると、緑が吹き出して笑った。
緑仙「お前、考え事してるときわかりやすすぎ!」
「えっ、うそ」
緑仙「自覚ないの?眉間に皺よってるし、目線下がるし、口すぼめるし」
そういうと緑は「こんな顔してるよ」と大袈裟に物真似をしてみせた。それをみて笑うイブちゃんと葛葉先輩。いや、まじか。
叶「Aにとって、優しい人になれてたならよかった」
叶先輩がそう微笑みかけてくる。「誰にとってもそうだと思いますけど」と返すと、苦笑いをされてしまった。
「え、良い先輩だよね、ローレンくん」
ロレ「叶さん、自覚した方が良いよ。最高の先輩だって」
真面目に聞いた私と反して、ローレンくんは若干ふざけ気味に答えた。いやガチなのだろうか。でもめっちゃ笑ってるしな…付き合いが浅すぎてローレンくんの真意がわからん。まじまじとローレンくんを見ていると、視線に気付いたローレンくんが「どしました?」と聞いてくる。
「ローレンくん面白いから、もっとよく知りたいなって」
ロレ「マ?じゃあ今度どっか出掛け…」
叶「ローレン」
叶先輩の低い声でローレンくんの言葉が止まる。呆気にとられていると、葛葉先輩がローレンくんにボディーブローを喰らわせた。
なんで遮ったんだろう、と思いながら叶先輩を見ると、何事もなかったように微笑みかけてくる。それを見ていた緑が小声で「こわ…」と呟いた。
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よもぎもち(プロフ) - の〜さん(旧もこ)さん» コメントありがとうございます!恋愛に発展するように頑張ってみますね! (11月11日 11時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん(旧もこ)(プロフ) - コメント失礼します。私2j3jの人達全員推しなのと愛され大好物なので嬉しいです!出来たら全員に恋愛的に愛されたいです。無理ならすみません。更新頑張ってください!楽しみにしてます! (11月11日 10時) (レス) @page2 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - きささん» リクエストありがとうございます!fwさんですね、かしこまりました! (7月17日 21時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
きさ - よもぎもちさん» 返信ありがとうございます。リクエストなんですけど、fwさんとの絡みがみたいです‼ (7月17日 21時) (レス) @page23 id: 9659c34de0 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - きささん» コメントありがとうございます!!めちゃくちゃモチベになります!!楽しんでもらえるよう、頑張って続き書きますね! (7月17日 11時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎもち | 作成日時:2023年7月12日 15時