家族の定義 ページ21
三枝「俺さ、お姉ちゃんおったんよ」
バーベキューの合間、子供達から離れたところで座って休憩していると、突然明那がそう切り出した。「おった」ということは、今はもういないということだ。あからさまに動揺した私の様子に気付いたのか、明那は慌てて両手を顔の前で振った。
三枝「あの、別に死んだわけでも離婚したわけでもなくて」
「ああ、びっくりした」
三枝「血も繋がってないし。幼馴染のお姉ちゃん」
そういうと、明那は少し寂しそうな顔をする。
三枝「向こうがどう思ってたかはしらないけど、俺は本当のお姉ちゃんみたいに思ってたんだよね」
「今は連絡とってないの？」
私の質問に、明那は座り直して膝の間に顔をうずめた。聞いちゃいけないことを聞いてしまっただろうか。少しの間、気まずい沈黙が流れる。
三枝「周りの目が気になっちゃって、嫌になって、俺の方から距離置いて、そのまま」
血の繋がりのない男女に向けられる周りの目。「家族」とは認めてくれない人達。心当たりしかないソレを想像して、胸が苦しくなった。そうか、明那は諦めてしまったんだ。初めて灰くんを紹介したとき、さっきみたいに灰くんと下らないじゃれ合いをしているとき、明那が優しい視線を向けてくれていた理由がようやくわかった気がする。
三枝「ここ、いいよね。その辺の家族より、よっぽど「家族」って感じする」
「俺、言葉選び大丈夫そ？」なんて頬を掻きながら微笑みかけてくる明那の手を、思わず握りしめた。
「明那がお姉さんと仲直りできるよう、私応援する」
明那が目を丸くしているが、私の熱は止まらない。
「私の家族を受け入れてくれた明那が、いつかお姉さんを紹介してくれるの、楽しみにしてるからね」
この人が、いつか、望んだ幸せを手にしますように。そう願わずにはいられなくて。そんなつもりは微塵もなかったのに、両目から涙が溢れそうだった。
三枝「なんでAが泣くかな」
眉を下げて笑いながら、明那は私の手をそっと振りほどき、私の瞳に溜まった雫を指先で拭う。
三枝「でも、いつか紹介するわ」
「うん、待ってるね」
三枝「そだ、昔の写真ならあるよ」
そう言って見せてくれた明那のスマホには、中学生になりたてでブカブカの制服をきた明那と、ピンクの髪をした綺麗なお姉さんが写っていた。無茶苦茶スタイルいいな。
三枝「愛園愛美さん」
「名前まで美しいな」
やや食い気味にそういうと、明那は「やっぱ変態やな」と笑った。解せぬ。
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よもぎもち(プロフ) - の〜さん（旧もこ）さん» コメントありがとうございます！恋愛に発展するように頑張ってみますね！ (11月11日 11時) (
レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん（旧もこ）(プロフ) - コメント失礼します。私2j3jの人達全員推しなのと愛され大好物なので嬉しいです！出来たら全員に恋愛的に愛されたいです。無理ならすみません。更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (11月11日 10時) (レス) @page2 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - きささん» リクエストありがとうございます！fwさんですね、かしこまりました！ (7月17日 21時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
きさ - よもぎもちさん» 返信ありがとうございます。リクエストなんですけど、fwさんとの絡みがみたいです‼ (7月17日 21時) (レス) @page23 id: 9659c34de0 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - きささん» コメントありがとうございます！！めちゃくちゃモチベになります！！楽しんでもらえるよう、頑張って続き書きますね！ (7月17日 11時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よもぎもち | 作成日時：2023年7月12日 15時
