青葉の重み ページ7
及川「マッキー!」
及川のトスを打つ。
ダダンッ、とボールは勢いよく床を叩いた。
──青葉城西側のコートの床を。
『うがっ!』
俺のスパイクをブロックした11番がニヤッと笑っている。
確か名前は……、月島だったか。
細いくせしてデカい。しかも一枚で止めよった。
腹立つわぁー。
及川「ゴメン、トス低かったね」
『いんや。俺もスマン』
お互いに簡単に謝り合ってまた試合に集中する。
──烏野6点、青葉城西5点。
長いラリーが続く。
『ふっ!』
渡「花巻さん、ナイスレシーブ!」
フライングレシーブで吹っ飛ばされたボールを拾う。
──チッ、向こうのチャンスボール。
主将がレシーブ、影山の超高速トス。
ファーストテンポには明らかに早いタイミングで10番が飛び出す。
金田一「っ!」
──及川が言うところの、神業速攻。
今度は目を閉じていない。
それどころか、金田一のブロックを意図的に避けて見せた。
渡の腕がボールを弾いた。
渡「……! すみません!」
及川「あーあ、復活しちゃったよ」
及川がそうぼやく。
久しぶりに、ヒリヒリと肌を焼け付かせるような緊張が走る。
烏野側は嬉しげにハイタッチを交わしているが、俺達は笑うことも出来ない。
『──、』
眉間にシワが寄る。
及川「……マッキー? 変なプレッシャー感じてなーい?」
岩泉「その喋り方ヤメロ。気色悪い」
及川「岩ちゃん酷い!」
ポンポンと二人の会話が進んでいく。
その間、俺は黙り込んでいる。
ようやく岩泉との会話が一区切りついた所で、及川が真剣さのある声音で言った。
及川「マッキー。何をそんなに怖い顔してるの? 俺達、勝つんだよ?」
──ここで、終わらないよ?
烏野も白鳥沢も倒して、全国に行くんだよ?
そこで優勝するんだよ?
そんな声を含んだ言葉を掛けられた。
思わず顔を上げれば、及川の瞳孔が怖いくらいに開いている。
『……何も心配なんか、してねぇよ』
及川「だよね、ごめんね!」
及川はパッと雰囲気を明るくさせて言った。
──愚直で酷く重い。
されどとても誇らしい、仲間からの信頼。
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よもぎ(プロフ) - 優秋さん» 回答ありがとうございます! その方法は全く選択肢にありませんでした。リクエストというのは、番外編のような物なもので良いのでしょうか……。 (2019年10月2日 22時) (レス) id: 3bd3258fc4 (このIDを非表示/違反報告)
優秋 - 個人的にはリクエストの物を書いて欲しいです。その一方で完結するまで見たい気持ちもあるので…。例えば、一旦、本編はお休みする。その間はリクエストを書いていく、というのを繰り返してみてはどうでしょうか。 (2019年10月2日 22時) (レス) id: 718aea0650 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ(プロフ) - 餅兎さん» 回答ありがとうございます! 私も迷ってるので意見を貰えるだけで全然良いです……。この作品をそんなに読み込んでもらえて凄く嬉しいです。 (2019年10月2日 20時) (レス) id: 3bd3258fc4 (このIDを非表示/違反報告)
餅兎(プロフ) - よもぎさん、いつも更新ありがとうございます。 作者様は大変になると思うのですが、3で全国まで行って欲しい気持ちがあります。椎名さんのバレーをもっと見ていたくて… ただ、キリよく終わると言う点では2が良いのかなあ、とは思います。曖昧ですみません… (2019年10月2日 19時) (レス) id: 10f5dc34bc (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ(プロフ) - 皆さん回答ありがとうございます! 青城で終われば後日談、白鳥沢で終わればキリ良し。全国まで行けばキャラクター登場。……悩みどころです。 (2019年10月2日 17時) (レス) id: 3bd3258fc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎ餅のわらび | 作成日時:2019年9月22日 10時