烏よ、仲間を ページ8
清水｢あの！ ちょっといいかな！｣
部活に明け暮れている最中。
珍しく清水が部員達に話し掛けた。
清水の背には隠れるように小柄な女の子が立っている。
『なになにー？』
練習の手を止め、部員達が集まる。
清水｢えっと、マネージャーとして仮入部の──｣
谷地｢やっ、谷地仁花です！｣
清水の後ろからぴょこっと谷地が出て来る。
叫ぶように自己紹介し、直立不動な所が初々しい。
菅原｢マネージャーかぁ。清水、やったな！｣
笑う菅原の言葉に、清水は無言でＶサインを送る。
ほんの少しだが口元が緩んでいる。本当に嬉しいのだろう。
『えーっと、谷地さん？ クラスはどこ？』
谷地の呼び方に気を使いながらAが聞く。
谷地は少しの間、呆けたように口を半開きにして黙り込んだ。
『……谷地さん？』
具合でも悪いのかとAが心配そうに眉をひそめる。
それにハッと我を取り戻した谷地は、緊張気味に答えた。
谷地｢いっち、１年５組であります！｣
噛んだのが恥ずかしいのか、谷地は頬を赤らめる。
そこがまた初々しく、Aは和んでいる。
対して恥ずかしさから復活した谷地は、緊張で肩が強張っているが。
澤村｢どけ、顔面凶器｣
澤村が冷たくAに言う。
『……ちょっと待って？！ 顔面凶器って何！』
数秒後、｢顔面凶器｣というのが自分のことだと気付いたAが抗議の声を上げる。
菅原が飽きれ気味にその抗議に答える。
菅原｢明らかに顔面凶器だろぉ。……顔綺麗すぎて｣
『は？』
まったく理解出来ないとAが不快げに顔をしかめる。
田中｢あ、分かりますよ俺。Aさんの顔面凶器｣
そろりと田中が手を挙げて言う。
その横では２年生組がウンウンと頷いている。
田中｢なんつーか、整いすぎてビビるんですよ。俺も最初はあんな感じでしたもん｣
『えー……。お前、最初よそよそしかったのって、そうなの？』
Aがそう問い掛けると田中は勢い良く首を縦に振った。
｢マジかー｣と初めて知った事実にAは天井を見上げた。
田中｢ま、部活してると残念なんで、すぐに大丈夫になりましたけどね！｣
『田中。お前殴られたいのか』
満面の笑みを浮かべる田中を、Aはギロリと睨みつけた。
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紅嵐(プロフ) - 孤爪が狐爪になってますよー。 (2020年5月30日 8時) (
レス) id: 1d90d43033 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ(プロフ) - テトさん» 分かりました！ 頑張って会話、増やして行きます。更新は暇なときは異常に頻度が高いのでご安心を。 (2019年9月9日 7時) (レス) id: 3bd3258fc4 (このIDを非表示/違反報告)
テト - この作品とっても面白くて好きです。更新楽しみにしてます！武田先生と烏養さんとの会話増やして欲しいです！あと、松川さんと花巻さんと会話してほしいです！菅原さん推しです。 (2019年9月8日 23時) (レス) id: eecfed04fa (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ(プロフ) - やった、及川さん推しが居ましたー！ 夏葵さん、カミューさん、コメントありがとうございます。 (2019年9月7日 18時) (レス) id: 3bd3258fc4 (このIDを非表示/違反報告)
夏葵 - とても楽しく読ませてもらってます！及川さん推しです！ (2019年9月7日 18時) (レス) id: 668af22414 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よもぎ餅のわらび | 作成日時：2019年8月24日 17時
