泡が15つ ページ27
赤髪海賊団が敵襲にあった時は、僕がウタを守るようにという約束をシャンクス達とした。
その約束は、今でも続いていて敵に見つからないよう僕の部屋にウタを連れてきて一緒に過ごすことになっている。
「ねぇ、A〜！シャンクスのかっこいいところ見に行きたい〜！」
『バカ、約束破ってどうすんだ。』
そこらへんにあった紙を筒状にして、軽くペシッとウタにしてやれば「きゃー！」なんて笑いながら本だらけの部屋を駆け回るウタ。積んであった本が落ちている。
部屋から出ないでいてくれるなら、まぁ多少の犠牲は厭わない。
基本的に、ウタは一人で待っていられるタイプの人間だったが、ある日シャンクスのカッコいい姿を目に収めたいと一人でに部屋を出た時があり、その際にこの僕が子守りをするという約束が結ばれた。
今までは、少し息苦しく。どうせここに来たってウタも楽しくないだろうなと思っていたが、先日の喧嘩で仲直りしてからは少しマシになった。
まぁ、たまにイラッともするしムッともなるけど兄妹ってそういうもんでしょ。そう思うことにした。
「ねー、Aはどんなお医者さんになるの？」
『どんなって？』
突然の質問に悩み、聞き返せば「だから〜」と例えを出してくれる。強いお医者さんや優しいお医者さん。
そうだな〜と首を傾けながら悩む。
『師匠みたいな自由で最強な医者かな』
これが僕の辿り着きたい未来予想図だ。それを聞いたウタは頷くと同時に再び質問をしてきた。
「その、師匠って誰のこと？ホンゴウ？」
嗚呼、そうだ。ウタは僕の過去を知らないんだ。
あえて教えてない訳ではなく、たまたま教える機会がなかったんだ。シャンクス達も勝手に話したら悪いと思って今まで言ってこなかったんだろう。
僕自身も、自分から話すものではないと話してきたことがなかった。
悩む素振りを見せる僕に、ウタが話す。
「話したくないなら無理に話さなくてもいいんだよA」
「話したくなったら話してくれればいいから」そう言って窓を眺めるウタは、僕よりも大人びていた。
ありがとう。と感謝を述べて医学の本を再び開く。
なんやかんやで、最近もこの空間に慣れてきた。
まだちょっと、ウタに対しての羨ましさはあるけどそれでも、今が幸せなんだと最近感じてきている。
それと同時に、この景色を師匠とも見たかったなと心底思う。
『…ししょー』
そう呟いた僕の顔をウタに見られていませんように。
きっと、酷く情けない顔をしているから。
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紫苑(プロフ) - 完結おめでとうございます！ (2023年3月5日 14時) (
レス) @page46 id: 44ea1afdd3 (このIDを非表示/違反報告)
穹(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉話が更新される度ほんとにワクワクしながら読ませてもらっていました！何回も読ませてもらいます！お疲れ様でした！ (2022年9月16日 21時) (レス) @page45 id: 17ca666086 (このIDを非表示/違反報告)
はくろー(プロフ) - 完結おめでとうございます！嬉しい気持ちではありますが寂しく思います。お疲れさまでした！！ (2022年9月16日 20時) (レス) @page44 id: 284adcf210 (このIDを非表示/違反報告)
ココ丸(プロフ) - とっても素敵な作品です！本当に泣いたり笑ったり楽しませていただきました。だいっすきです！新作等たのしみにしていますね！♪ (2022年9月16日 20時) (レス) id: 17402642c9 (このIDを非表示/違反報告)
はくろー(プロフ) - おもろかったです!更新を楽しみにしてます(*^ ^*)頑張ってください♪ (2022年9月15日 20時) (レス) @page40 id: 284adcf210 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パチュリー | 作成日時：2022年9月12日 3時
