淡が6つ ページ14
師匠が家を飛び出して数時間。未だに帰ってこない師匠の存在に悶々と唸る僕。
『しーしょー、まーだー？まだかなぁー。お腹すいたなぁ』
小さな僕の部屋に響く声、誰もいないからか余計に冷たく聞こえる。
誰もいない部屋はこんなにも寒いのか。
暖炉で牧を燃やしても変わらない。寂しい。
シャンクスと出会った日、母と父の存在を知らない僕は興味本位で聞いてみたんだ。シャンクスなら教えてくれる気がしたから。
伝え方が分からず困り果てたシャンクスは、一纏めに家族で大切な人だと説明してくれた。
僕には本当の母と父は居ない。だけど、それくらい。いいやもっと、それ以上に大切な人なら居る。
前までは、母と父の存在に憧れていたし正直今でも少し思うことはあるが、僕には師匠が居る。それだけで十分なんだ。
あれ、そう言えばいつ僕と師匠って出会ったんだっけ。昔のことすぎて覚えてないや。小さかったから。
そうこう考えているうちに、遊び疲れた疲労が出てきたのか眠くなってきてしまい夢の中に落ちた。
＿＿＿
次に目を覚ました時には、もう外も暗くなった頃。
こんな時間まで寝てしまっては、後で眠れなくなって夜更かしする羽目になる。
そう思い欠伸をすれば、棚の1番上から袋が落ちてきた。
『？』
手に取ってみれば、HAPPYBIRTHDAY Present と書いてあった。包装のリボンを解けば中からメッセージカードが出てくる。
−HappyBirthday−
" 誕生日おめでとう アタシのかわいい愛息子 "
" これを読んでるということは、誕生日を迎えたか、はたまた迎えずに何かの拍子で見つけてしまい開けたと言うことだろう"
" アタシは後者でも構わないさ "
" このプレゼントは世界で1つ。アタシが特別に用意した物だ。お前にピッタリの物さ "
" A ”
” アタシは何年経ってもお前をずっと愛しているよ ”
これでメッセージは終わっていた。
袋に手を入れれば、中からパステルカラーの青い表紙の大きな本が出てきた。1ページ目には、僕と師匠のツーショット写真も挟んである。ペラペラとページを捲れば、そこら辺にある医学の本とそう変わらないのに、所々には師匠が書き加えたであろう鉛筆の文字が沢山ある。
1つの病名に5行以上の付け加え。1つの薬品名に10行以上の取り扱い上の付け加え。
本をギュッと抱きしめて体を丸める。
『ししょーだぁいすき』
生まれて初めての誕生日プレゼント。
きっと出てくる涙は、幸せの涙。
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紫苑(プロフ) - 完結おめでとうございます！ (2023年3月5日 14時) (
レス) @page46 id: 44ea1afdd3 (このIDを非表示/違反報告)
穹(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉話が更新される度ほんとにワクワクしながら読ませてもらっていました！何回も読ませてもらいます！お疲れ様でした！ (2022年9月16日 21時) (レス) @page45 id: 17ca666086 (このIDを非表示/違反報告)
はくろー(プロフ) - 完結おめでとうございます！嬉しい気持ちではありますが寂しく思います。お疲れさまでした！！ (2022年9月16日 20時) (レス) @page44 id: 284adcf210 (このIDを非表示/違反報告)
ココ丸(プロフ) - とっても素敵な作品です！本当に泣いたり笑ったり楽しませていただきました。だいっすきです！新作等たのしみにしていますね！♪ (2022年9月16日 20時) (レス) id: 17402642c9 (このIDを非表示/違反報告)
はくろー(プロフ) - おもろかったです!更新を楽しみにしてます(*^ ^*)頑張ってください♪ (2022年9月15日 20時) (レス) @page40 id: 284adcf210 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パチュリー | 作成日時：2022年9月12日 3時
