黒執事◆◇日本からのお客様◆◇

その令嬢 光唄 ページ41

教会…──＜Asaid＞


三日後 國の葬儀はひっそりと執り行われた

異国文化に興味津々で英国に来た初日から私以上

にハイテンションだった國

でも今となってはその無邪気な甲高い声をで笑う

ことはない…ただ柩の中で大人しく瞳を閉じて眠

る…大人しすぎて國じゃないみたいだ


──『ねぇセバスチャン…やっぱり形だけでも…』──

形だけでも…

埋葬は日本でするけど 國に英国文化を体験させる

皮肉だな…興味津々な文化の体験が自分の葬式な

んて…

参列者は私とファントムハイヴ家の人達となぜか

エリザベス…葬儀の前日に何も知らず屋敷に遊び

に来たエリザベスはシエルから葬儀の話を聞かさ

れ自ら参列を希望したという

シ)「…」

セ)「…」

みんなが一輪ずつ白い薔薇を手向ける

貴)「…」

最後は私…でも手向けるのは薔薇じゃない

國が好きだった“白椿”

薔薇よりも香り高い…でも決して強すぎない柔か

な香りと優しい白さが國は大好きだった

猫姿の國は猫じゃらしより椿じゃらしにじゃれつ

いたほどだが…もうさすがにじゃれつかないか…

貴)「あぁ…ダメだなぁ…ｯ」

色々思い出して…視界が霞んじゃう

貴)「國…ごめんね…守られることしかできなくて…」

あ…また思い出したよ國

貴)「代々…御苦労様…國…ゆっくり…休んでね


ありがとう…」


私は甦った音色を口ずさむ

ねぇ覚えてる?あなたがくれた“子守唄”


零れ日注ぐ木立
沸き立ちたる想い
守るべき 小さき者
白羽舞う空を仰ぎ

雨 風 荒ぶとも
咲き誇る幸の陽よ花に舞い散らん

螺旋に伝う光
太陽差す庭へ
在りし日の面影よ
永久の唄よ 心繋ぎ

天 地が 荒ぶとも
咲き誇る幸の陽よ花に舞い散らん

螺旋に伝う光
流るる時 記憶
守るべき 生きる道よ
故に生きる空を仰ぎ…


ありがとう國…おやすみなさい…

『ありがとうございます お嬢様…』

貴)「…(國…さよなら)」


後日…──


ア)「終わったのかい?」

教会の外でアンダーテイカーが待っていた

貴)「シエル…アンダーテイカーさん…セバスチャ

ン…皆さんもありがとうございました」

メ)「気にすることアルないネ」

フ)「そうだよぉ(/_;)ｸﾞｽﾞｯ」

タ)「…」

バ)「おうよ」

シ)「コイツらの言う通りだ どうと言うことはない」

ア)「小生も久々に腕がなったよぉ…ﾋｯﾋｯﾋ」

セ)「坊っちゃん お嬢様 そろそろお屋敷n「そう

はいきませんよ?」」

この声…


ウ)「彼女に用事があります」


死神!!

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