黒執事◆◇日本からのお客様◆◇

その執事 戯れ ページ12

Aの部屋…──


部屋の窓から庭を見ると國がメイリンやフィニ達

と愉しそうに昨夜めちゃくちゃになった樹の整備

をしていた

貴)「…」

自然と口元が緩む 安心しきっていい状況じゃない

って分かっているけど…何か和む

ｺﾝｺﾝ

貴)「? はい」

セ)「失礼します お茶をお持ちいたしました」

貴)「ありがとうセバスチャン」

セ)「いえ…＾＾どうぞ」

貴)「いい香り…アールグレイ?」

セ)「ご存知でしたか…」

貴)「叔母様から頂いた物と同じ香りでしたから

ただ その時は國が入れるのを失敗してしまって」

セ)「日本茶と紅茶は 葉も入れ方も違いますからね…」

おいしい…

貴)「セバスチャン」

セ)「はい」


貴)「気付いてるでしょ?國が人じゃないって…」


セ)「…ええ お会いしたときから少なくとも普通の

猫ではないと思っておりました」

貴)「じゃあ予想つく?」

セ)「憶測ですが」

貴)「その憶測は…?」


セ)「“ケットシー”…ではないかと」


貴)「正解 西洋の言葉で言い表すなら“ケットシ

ー”私達は“猫又”と呼んでいるけど…」

セ)「國さんはA様と契約を?」

貴)「…と言うより 國は一ノ宮家に仕える猫又だから」

そう…國は…

貴)「ただ物心ついた時から私の隣には國がいた


家族を知らない私にとって國は…家族同然なの」


セ)「…契約を結んだ以上 彼女はあなたに従う…

それだけのことかも知れませんよ」

そう言ったセバスチャンの横顔は何だか意地悪だった

貴)「…それでもいい」

セ)「! …」

貴)「卑屈な考え方するねセバスチャン」

セ)「ありがとうござi「褒めてないよ」＾＾」


貴)「さっきから普通に契約がどうとか話してるけ

ど やっぱりセバスチャン 人間じゃないでしょ?」

セ)「さぁ?＾＾」

貴)「昨日の夜もそう言って誤魔化した!さては國

と同じ猫又!?妖狐!?」

セ)「ｼ─…」

貴)「っ?」

私の口に人差し指を宛がうセバスチャン

セ)「英国ではレディはそう大きな声で迫ったり

しないものですよ お嬢様＾＾」

貴)「なｯ!?別に迫ったわけでは!///;;」

セ)「ｸｽｯ))そんな簡単に頬を染めては 悪魔に喰

われてしまいますよ＾＾」

貴)「あ あくま?」

セ)「西洋に伝わる悪しき魔物のことです」

貴)「悪しき…魔物」

セ)「では 私はパーティーの用意がありますので後程」

貴)「ええ」

セ)「ごゆっくりどうぞ…」

耳元で囁かれて少しばかりこそばゆい

貴)「///!」

セバスチャンは笑顔で去っていった

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