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Aは刀鍛冶の里に向かった。
自分の足で向かうのではなく、隠が代わる代わるにAをおぶって連れて行く。





里に着くのと同時に、目隠しと耳栓が外された。
温かくも力強い火の匂いがする。

「ありがとうございました」

隠に礼を言うと、Aは長である鉄地河原 鉄珍のところへ挨拶しようと、長のいるところへ駆けて行った。

Aは里に何度か来たことがある。何度も刃こぼれをし、刀を折っているからか謝らないと申し訳ない、という気持ちでいっぱいになるからだ。

Aの刀鍛冶は何度折っても刃こぼれしても一度として怒ったことはなかった。Aは刀を大事にしていていると見抜いていたからである。

「失礼します」

襖を開けると長である鉄珍と二人の刀鍛冶が座っていた。
里の長である鉄珍はAを見るとすぐに言った。

「うちの蛍に何かしよった?」

「え?蛍さん……?」

「鋼鐵塚。鋼鐵塚蛍」

あの鋼鐵塚が気にいるほどの鬼殺隊員。鉄珍の目にはいままで器量の良い美人な女性にしか見えていなかった。
しかし、今はよく癇癪を起こす鋼鐵塚が惚れた女性のことをもっとよく知りたくなっていた。

親が子供の見合い相手の様子を伺うような心境である。

「何かしよった?」

「え、えと……。何もしていないです」

Aは素直に答えた。
初めて会ったのか炭治郎が刀を折ったことで怒っていたとき。そのあと屋敷に通し茶を出したが、その間は特に何もしていない。

「本当に?」

「はい、本当に」

来て早々おかしな雰囲気になってしまったことを詫びるように、Aは昨日買った菓子を差し出した。

「あの、これよろしければ」

「ん?あぁ悪……」

Aが持ってきた菓子を見て、鉄珍は動きを止めた。
鋼鐵塚が好きなみたらし団子を想いを寄せているAが持ってきた。
これを鋼鐵塚が知ったらどうなるか、予期できなかった。

玖→←漆



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五十土(プロフ) - NANAさん» ありがとうございます!ドキドキできるような感じを目指しているのでとても嬉しいです^ ^頑張ります! (2019年12月14日 13時) (レス) id: a2d3564c6a (このIDを非表示/違反報告)
五十土(プロフ) - 牙さん» 鋼鐵塚さん可愛いですよねわかります!癒されてくれてありがとうございます(?) (2019年12月14日 13時) (レス) id: a2d3564c6a (このIDを非表示/違反報告)
五十土(プロフ) - コハクさん» ありがとうございます!更新しましたのでまたお楽しみください! (2019年12月14日 13時) (レス) id: a2d3564c6a (このIDを非表示/違反報告)
NANA - こんなに素敵な作品に出会ったのが久しぶりすぎて...ドキドキ止まりません...更新頑張ってください!! (2019年11月20日 16時) (レス) id: 714d999e70 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 最近鋼鐵塚さんが可愛く見えて仕方ないので、この小説を読んでると癒されます!更新待ってます!! (2019年11月16日 1時) (レス) id: aea81487e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:五十土 | 作成日時:2019年5月2日 22時

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