伍 ページ7
「秘密話、私も混ぜてくださいよ」
「ダメです!」
「あらあら」
Aは上品に笑った。アオイがそれを見て駆けてくる。
「こら、お洗濯もまだなのに!」
「ごめんなさーい……」
しょんぼりとする少女たちを庇うように、Aは彼女たちの肩に手を置いた。
「アオイさん、怒らないであげてくださいな。私が止めてしまったようなものだから」
ふわふわと漂う藤の匂いがアオイの気持ちを落ち着かせた。
「私も手伝います。今のところ、任務はないですから」
なほがAの手を引き、水場へと連れて行った。
最近、蝶屋敷には三人ほど怪我人がいたためか、洗濯物が少し多くあった。
Aは小さな少女四人でこの量の洗濯物はつらいだろうと考え、人一倍働いた。
「そういえば、Aさん、あの刀鍛冶さんのお名前ご存知ですか?」
きよがわくわくと尋ねる。
「はい。伊之助くんの刀を打った鉄穴森さん、炭治郎くんの刀を打った鋼鐵塚さん、ですよね」
きよがまた話しかけようとした時、Aの鎹鴉が飛んできた。
Aの肩に止まり、ガラガラと鳴く。
「刀!刀ヲ研グ為ニ里ニ行ケ!!」
「あ、許可が下りたんですね」
折った袖を元に戻し、Aは少女たちに話しかけた。
「里に行ってきます。お話はまた今度」
すみがAの服を掴み、キラキラとした目で見つめている。
「えっと、すみさん?」
「そ、その、鋼鐵塚さんを探してみてください!」
「え?」
「きっと、喜んでくれますよ!」
「……わかりました、ありがとうございます」
私なんかに会って、喜んでもらえるんだろうか。
そう考え、Aは用意を始めた。
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五十土(プロフ) - NANAさん» ありがとうございます!ドキドキできるような感じを目指しているのでとても嬉しいです^ ^頑張ります! (2019年12月14日 13時) (レス) id: a2d3564c6a (このIDを非表示/違反報告)
五十土(プロフ) - 牙さん» 鋼鐵塚さん可愛いですよねわかります!癒されてくれてありがとうございます(?) (2019年12月14日 13時) (レス) id: a2d3564c6a (このIDを非表示/違反報告)
五十土(プロフ) - コハクさん» ありがとうございます!更新しましたのでまたお楽しみください! (2019年12月14日 13時) (レス) id: a2d3564c6a (このIDを非表示/違反報告)
NANA - こんなに素敵な作品に出会ったのが久しぶりすぎて...ドキドキ止まりません...更新頑張ってください!! (2019年11月20日 16時) (レス) id: 714d999e70 (このIDを非表示/違反報告)
牙(プロフ) - 最近鋼鐵塚さんが可愛く見えて仕方ないので、この小説を読んでると癒されます!更新待ってます!! (2019年11月16日 1時) (レス) id: aea81487e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:五十土 | 作成日時:2019年5月2日 22時