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弐拾漆 ページ29

ーA様

しっかりとした筆使いで書かれた名前。
少し震えていたのがわかる。

一文一文読んでいくと、自分の鼓動が早く感じた。
トクリ、トクリと体全体に伝わる鼓動。
呼吸を使っているときには感じられない不思議な感覚がした。

「……鋼鐵塚さんらしい字、ですね」

初めて会った時のような、少しおかしい感じと、Aに向けられる優しさが混ざったような字。

そんな字で、自分の最近のことやAを想う気持ちがはっきりと書かれていた。

「あ、Aさん!」

「きよさん」

「どうされたんです?」

「いえ、ちょっと、……お返事を読んでいたところです」

「お返事?……あ!もしかして、鋼鐵塚さんから!」

手紙を見せて欲しいとお願いをするきよに、手紙を手渡した。
数分して、洗濯カゴを抱えたすみとなほがやってきた。手紙だと伝えると黄色い声を上げ集まってきた。

「鋼鐵塚さん、こんな穏やかな文章書けるんですね!」

「え、い、いつもは書けないんですか」

「はい!怖ーい文しか来ませんよ!」

そうなのか……と思っていると、炭で張り付いていたと思われる手紙がはらりと落ちた。
最初に書いた文のようで、途中で終わっている。

「?……なんでしょう……」

たった一文だけ、その手紙には書かれていた。

ーまた、会いたい。会って、話したい。またー

Aは、身体中の熱が急激に上がっているのを感じ、顔を隠した。

きっと、今の自分は真っ赤だ。

体は次第に火照っていった。

弐拾捌→←弐拾陸



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五十土(プロフ) - NANAさん» ありがとうございます!ドキドキできるような感じを目指しているのでとても嬉しいです^ ^頑張ります! (2019年12月14日 13時) (レス) id: a2d3564c6a (このIDを非表示/違反報告)
五十土(プロフ) - 牙さん» 鋼鐵塚さん可愛いですよねわかります!癒されてくれてありがとうございます(?) (2019年12月14日 13時) (レス) id: a2d3564c6a (このIDを非表示/違反報告)
五十土(プロフ) - コハクさん» ありがとうございます!更新しましたのでまたお楽しみください! (2019年12月14日 13時) (レス) id: a2d3564c6a (このIDを非表示/違反報告)
NANA - こんなに素敵な作品に出会ったのが久しぶりすぎて...ドキドキ止まりません...更新頑張ってください!! (2019年11月20日 16時) (レス) id: 714d999e70 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 最近鋼鐵塚さんが可愛く見えて仕方ないので、この小説を読んでると癒されます!更新待ってます!! (2019年11月16日 1時) (レス) id: aea81487e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:五十土 | 作成日時:2019年5月2日 22時

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