あなたをさらいに夜がくる ４【文スト】【深夜廻】

夜廻１２３.甘いは正義 ページ7

＿＿数分後＿＿




「御待たせ致しました」



「A！食べましょ！」




スイーツ頼むのにだけなのにこんなに疲れるなんて誰が予測しただろうか




ぐったりとした私とエリスの前に、宝石の様にキラキラと輝くスイーツが幾つも置かれる






『‥‥‥エリス。そんなに食べるの？』




「？ 足りない位よ？


甘いは正義！」




そう言って可愛らしく微笑んだ彼女




「そう言うAは少ないのね」



『これでも結構多い方だと思うんデスケド』




タルト、ムース、フレジェ、マカロン‥‥






彩り豊かなスイーツは、見ているだけで楽しくなる






私にも、一応乙女ごころという物はあったらしい







「‥‥私がAとこうして楽しく遊んでるって、探偵社が知ったら嫉妬しそうね」





『え？』





早速フレジェを切り分けて口に運びながらエリスがこぼした一言に、私は疑問の声を投げる





『なんで嫉妬？』



「別に、なんでもないわ！」





上手くはぐらかされてしまった





『エリス、探偵社の皆さんのこと知ってるの？』





「勿論よ！ ダザイなんて前はうちにいたし



後、ジンコはリューノスケと仲悪いわ


でもダザイはチューヤと仲悪いわね」





『そ、そうなの？』




「本質的な所では似た者同士よ」




私はあの四人の顔を思い浮かべた





太宰さんと中也が仲悪いのは知ってたけど、敦と龍もなんだ





あ、でも前に敦の名前呼んだら龍が怒った事があったっけ





ぼんやりと思い出しながら、『私は、いまエリスと居るって知られたら森鴎外さんに嫉妬されそう』と呟いた




すると、エリスはマカロンをかじりながら首を傾げる




「何故かなんて知らないけど、なんだか最近のリンタロウはピリピリしてるみたい」




『え？どうして？』




「知らないわ」



興味無さそうに言うエリスに、私は不機嫌な森鴎外さんを想像して身震いした





絶対怖い。絶対




少し身震いしながら口に入れたザッハトルテはとろけて下に絡む





‥‥ここのスイーツすっごく美味しい




なんとか参考に出来ないものか




うんうん唸っていると





「‥‥ふふっ」




エリスが笑い声をもらした




『どうしたの？』



「Aの顔が面白いんだもん！」





私の顔を指さすエリスに、かあっと頬が熱くなる





一体どんな顔してたんだ、私

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