あなたをさらいに夜がくる ４【文スト】【深夜廻】

夜廻１３３.貴方はだれだ ページ17

「きっと、夜にだって色はあるからさ」




『‥‥‥‥？』



「夜だって、ただの闇ではないと思うんだ


どんなに濃い黒にだって、多分色はある」




私には、輪廻の言っている意味が理解できない



どうして？



闇は怖い。色がない




人間なら誰だってそうじゃないの？




分からない。分からない



『‥‥私には、ちょっと、分からない、かな』




「‥‥‥そっか」




輪廻はにこっと笑った




どれだけそばが心地よくても、やっぱり受け入れられる部分と受け入れられない部分が有るんだろう




それが当然なのだと思う自分がいるし、寂しいと思う自分もいる




‥‥‥‥‥‥‥




‥‥‥‥



‥‥。





『ねぇ、輪廻‥‥』




その時、だった






ザザザザザザッ





「！」





『え！？ な、なに！？』




突如、私達を黒服の男の人達が囲んだ



手にしてるのは‥‥武器





だれ、この人達‥‥




その次の瞬間





ジャキッ！





一人が、私達に銃を向けると





パアンッ！！






発砲、した






『‥‥‥え‥‥』





刹那




グイッ！






私の左隣にいた輪廻が、左腕で私の右肩を前から掴み、倒れ込む






『いっ！』




後頭部を打ち付け、視界がくらくらとした




全てが一瞬の出来事だった




何が起こったの？



今、撃たれかけた？




私を守ったのは‥‥輪廻？




私の上に覆い被さっていた彼は、すくっと立ち上がる




静かな瞳が、男達を睨んだ




「‥‥お兄さん達、なんのご用件？」




その言葉を無視し、男達は再び銃を構える




次の、瞬間






ブシャッッ





『‥‥‥え‥‥？』





な、にが、おこっ、て？





舞い上がる血しぶき




倒れる男性




私の隣から、一瞬でいなくなった輪廻





嘘でしょう？





＿＿＿＿何してるの、輪廻







「お兄さん達、話もせずに攻撃しようとするの止めてくださいってば」




先程までと全く変わらない表情



それなのに、持っているのは血塗れのナイフ




「正当防衛、ですからね」





どうしてそんな顔してられるの？



どうして顔色一つ変えないの？






あの人は‥‥‥誰？





怖い




怖い怖い怖い怖い




あんな人、知らない





輪廻が、此方を振り返った気がした





しかし





それを確認するより先に





恐怖で染め上げられた私の意識は、暗闇へと投げ出された

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